第二話「侵攻」
家を飛び出し俺はビームをよく狙って発射した。
シュバ!
無慈悲な赤い光線が空を舞う宇宙人の皮膚を無慈悲に裂く。
一体…また一体とその数はどんどん減っていく。
奴らはこっちに狙いを定めて飛んできた。
光線が自分とは非にならないほど飛んでくる、それは地面に当たるとジュッという音を立てて消えていく。
「Mass production type z-999」
中に入れそうな蓋がうなじに空いた人型のロボットが現れた。
その右腕の肘から先をぐるっと一周するようにミサイルランチャーが備わっている。
その左手の五指には蓋がついていて中にはマシンガンが内蔵されている。
その全身には黒くてテカテカした鋼鉄の走行に覆われていて武士の鎧から芸術性を抜いたようなような印象を受ける見た目である。
急いで中に乗り込んで起動させた
外では銃弾があたる爆音が聞こえるが機体はびくともしない。
きちんと凝って作った過去の俺を称賛したい
俺は敵をミサイルで撃ち落とした。
「なんだあれすげーぞ!」
「俺たちもあいつに続け!」
逃げ惑う民衆も自身のバンドから装備を出す。
戦場は様々な兵器と生物があふれていた。
宇宙人たちは彼らに倒され着実に数を減らしていった
「やったか?」
「俺たち倒せたのか?」
その瞬間戦場は大きく変化する
宙からくる空飛ぶ船。
そこから飛んでくる先ほどより重装備を付けた宇宙人たち。
いつの間にか辺りには宇宙人のものと思わしき戦闘機と戦車が民衆をせん滅し破壊行為を行っていた。
家々は燃え上がり、人々は逃げまどい抗い血の海になれ果てる。
おお神よ、なぜ我らを見捨てたのか……答えのない問いを虚空へ問う。
深淵は我らをあざ笑うように無で返す……もう救いはないのか……
絶望に沈む我らへの答えは数多の悲鳴と歓声を背負い颯爽とあらわるる
それは閃光だった。
それは瞬きをする間もなく起こった。
それは音もなく、気が付いたらそこに"あった"
それは信仰心すら芽生えるほどおぞましく、美しく、蜷咲ァー荳肴?、であった。
人も、動物も、ビルも、家も、空気すらも辺りの全てが刹那の間に消し炭になった。
世界は黒とかすかな赤のグラデーションに包まれた。
何も聞こえないくらい大きな轟音が宙を轟く。
その様はかのインド神話におけるインドラの雷のようであった。
この瞬間すべてが世界に神も仏も救いもないと悟った。
この殺し合いは初めからの出来レースだったのだと今更気づいた。
たとえ気づいていてもこの運命からは逃れられることはかなわないが。
事実がただそこにある事だけで人の心を狂わせる。
だが泣いてもわめいても現状が変わるわけではない
「何が起こったんだ?」
「おい、なんかやばい、とりあえず逃げるぞ!」
「そこのあんたも来い!」
「あ、ああ!」
見ず知らずの人を弔う暇もなく俺たちは逃げ出した。