天才の名誉
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それでは本編へどうぞ〜
反乱軍のゴリント・ペガサスはそわそわと窓の側を歩き回った。心配事があるのだ。反乱軍総裁のレオリコがまだこのフォルス基地に到着していない。ついでにあのならず者の男もだ。
帝国に追撃されたのではあるまいか・・・・大量の小惑星帯の餌食になったのではあるまいか・・・・はたまたあの男が・・・・こう考えていると、心配は尽きることがなかった。
時計を見た。138:4919本、最後に時計を見た時から8分も経っている。もし、総裁がいなくなれば反乱軍の指揮は誰が取る?無論私に指揮権が移るだろうがそんな愚かな権力に興味はない。
今の反乱軍があるのは全てレオリコ総裁のおかげなのだ。レオリコ総裁を失えば反乱の意味はなくなる。彼女は反乱軍の代表なだけはなく、再度”ドクテルマテオ”が台頭したときに国家の指揮をとれる唯一の人間でもあるのだ。
共和制国家ドクテルマテオ崩壊後、突如として台頭した皇帝。名前も出さない不審な皇帝だ。その皇帝率いる銀河帝国連邦政府。
ドクテルマテオの治める平和な銀河系を維持して、第一に市民のことを考える素晴らしい理念に賛同して議員になった。その平和はあの日まで、”夜が落ちた日”までしっかりと守られていた。
友人、同僚、家族、家財の全てを失ってどん底だった私達に反乱の勇気を奮い立たせたのは何を隠そう元ドクテルマテオ最高議長のメンタム・レオリコの娘、チレン・レオリコだった。
反逆罪として独房に閉じ込められている私達にこう言った。「今やドクテルマテオと平和な銀河はありません。今あるのは、権力の下で市民を支配するような武力独裁国家です。それは私たち議長団が最も避けていた形態でもあります。
しかし、希望はあります。私たちがここで立ち上がることでその希望は自分の足で立つことができるようになるのです。さあ、お立ちなさい。私たちが愛したこの銀河を皇帝の好きにはさせない!!」
この言葉を聞いた私たちは無意識のうちに涙を流し、ドクテルマテオへの忠誠と帝国への反乱を誓い、立ち上がって独房をぶち破らん勢いで鍵を壊し、兵士を襲って武器を奪い「我らは反乱軍!道を開けろ!!」と叫び大量の貨物船をジャックし第一ドゥルー基地へと落ち延びることができたのだ。
レオリコ総裁は最早、反乱軍に欠けてはいけない。パズルのピースのようなものだ。もしかしたらあの男もそうなのかもしれない。現に私が知る限り総裁はあの男に二度命を救われている。
「副総裁!!失礼します。総裁と男が乗っていると思われるシャトルを第二監視塔が確認しました!!」希望に満ち溢れたその声に、ペガサスは思わず発着台へ走った。
発着台に着地した不気味な赤と黒のシャトルから伸びるタラップには笑顔のレオリコ総裁と男がいた。
レオリコは隣を歩く石原の顔をみて確信した。彼は私を愛している。私も彼を愛している。そして彼は反乱軍なのだ。私達と共に戦い、帝国の崩壊とドクテルマテオの建国を夢見る将軍なのだ・・・
彼の顔は今まで見たことのないくらいに澄み切っていた。
ペガサスはレオリコに「おかえりなさい。総裁殿。」と丁寧に挨拶をして深々とお辞儀をした。そして石原にも握手をして「おかえりなさい。将軍殿。彼女の命を救い、守っていただいたこと、帝国への大きな打撃を与えた功績を認め反乱軍レッジ中隊の将軍に任命する。」と言った。
石原は少し間を置いて微笑み、「金より大事なものに気づいたよ・・・それは地球では得られなかったものだ・・・・愛と名誉だよ。」と言った。
こうして石原春は誉れ高い反乱軍レッジ中隊の将軍となった。石原はかつてない満足感と使命感を噛み締めていた。そして、「必ず帝国をぶっつしてやろう」という信念にも燃えていた。
レオリコはペガサスに「それより進展は?」と聞いた。ペガサスは「あります。スパイから連絡が入りました。しかも00Xトップシークレットです。レオリコは「すぐに作戦会議を」と言った。
反乱軍は講堂に集められ、作戦会議が実施された。
隊毎に、エッジ大隊、中隊、小隊、レッジ大隊、中隊、小隊、ゴールド大隊、中隊、小隊がピシッとならんだ。
およそ、五千人を見下ろす壇上の上でペガサスは口を開いた。「まず、このメンバー全員が今日揃って作戦会議ができることに感謝したい。今日の反乱軍があるのは紛れもなく諸君の日頃の勤労と反乱への貢献のお陰である。そして新たに将軍となった男も紹介したい。」
石原は俺のこと?というような顔をして壇上の上に立った。「彼の名は石原春。これからはならず者などという無礼なことは言わず、石原将軍と呼ぶように。彼は今日これからレッジ中隊の将軍に就任した。どうぞよろしく。」
講堂をけたたましい拍手が包んだ。石原は使命感を更に大きくした。そしてレオリコの方を向いて微笑んだ。
次にレオリコが壇上へ立ち、「本題へ入りましょう。先ほど私がこの基地に到着したタイミングで一通の暗号電報が入ったそうです。その電報は帝国連邦政府へ潜入中のスパイ、コードネームメテナス。
彼が掴んだ情報はこうです。二日後にジミー級ギャラクシーディサスターがエクトラス星系の12124-^8’にモーションジャンプし、惑星アルカトラストを侵攻するそうです。アルカトラストは今だに表立って帝国への加盟反対を謳っていて、かねてから帝国に目をつけられていた国家です。」
一同はざわついた。
レオリコは尚も続ける。「我々のやることは一つ、同志であるアルカトラストへの侵攻を防ぐためにエクトラス星系に飛ぶギャラクシーディサスターを攻撃することです。まず、エッジ大隊、中隊がギャラクシーディサスター後方へジャンプし、ゴールド中隊が格納庫を攻撃、大隊が管制室を攻撃、小隊が推定五千機のジアントを迎え撃つ。そしてエッジ小隊が腹を狙う。その後打撃を受けたディサスターに追い討ちをかけるのはレッジ大隊、小隊です。そして今回の作戦でもっとも重要な役目を担っているのは・・・・」
言葉を切ったレオリコは間を置いて「レッジ中隊です。」と言った。一同はさらにざわついた。
レオリオは「静粛に!」と言って続けた「ジミー級を破壊する役目それを担うのはレッジ中隊です。そして今回レッジ中隊の動きは全て・・・・・石原将軍に任せます。異論はありませんね?」
ゴールド大隊の隊長クリミナルが手を上げた。「そんな、ぽっとでのならず者にそんな大役が務まるとは思えませんなぁ。一度考え直した方が良いのでは?」
レオリコは「言葉に気をつけなさい。彼は合計五隻のヴィクター級を破壊し、科学の力を使い不利な状況を何度も覆してきました。言うなれば戦略の天才です。」
クリミナルは黙った。
そして作戦会議が終わり、反乱者達は準備にとりかかった。船の整備、艦隊の装備想定、やることは腐るほどあった。
石原にも機械の整備と修理が任されていた。そして作戦の考案もだ。そんな忙しい石原将軍にクリミナルは話しかける。「おい!総裁に気に入られてるからって調子に乗るんじゃねえぞ。」石原が黙っているわけもなく「どきな、暇人。あんたに付き合っている暇はないんだよ。せいぜいそこのナメクジにでも話しかけな。」と言ってなじった。
クリミナルは逆上し「調子に乗るんじゃねぇって言ってるんだ!!この任務でヘマすれば貴様は終わりだ・・・・せいぜいそうならないことを祈ってるよ・・・へっへっへ」と汚い言葉を吐き捨てて帰っていった。
石原は気にも留めなかった。これが本当のことになるとまだ知らないから呑気であった・・・・・
「カーペンター艦長。アナザースパイ作戦は順調です。偽の通達は予定通り反乱軍の上層部へ届きました。ドロイドに観察させていますが怪しんでいる様子もありません。」副艦長ジェームズ・ポーンは胸をはって言った。
広大な窓から銀河を眺めるセルビナ・カーペンターは「よろしい。随時報告せよ。」と言った。副艦長の返事を聞くと「見ていろよ・・・今に吠え面をかかせてやるわ・・・・」と不敵な笑みを浮かべた・・・・・
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