裏切り
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※1外部船を受け入れる格納庫。基本的に巨大な長方形で剥き出しになっている。
反乱者達は頭を抱えることすらしなかった。最早この戦いに勝機はない。コンピューターの操作や砲台のリロード、射程距離の計算。こんな表向きな作業には何の意味もない。
帝国はいつものように切り札を持っていはずだ。その切り札はご多分に漏れずこちらを容易く壊滅させるほどの威力を誇っているに違いない。
今までがそうだったように今回もそうだろう。
石原だって不在だ。正確にはいるらしいが今どこで何をしているか分からない。核にシールドを貼る為に洞窟の入ったというがそれっきり何の音沙汰もない。シャトルからも出ているようだし。何かの事故にあっているに違いない。
石原を失ったとなれば自分達に残された道は死か、捕虜になって一生拷問と尋問を繰り返されるかだ。今の内に投降するべきか。
全てを投げ出して敵に屈するべきか。いや、レオリコ総裁に受けた恩を返さないわけにはいかない。だからといって一生を棒に振るのか?確かにあの時反乱軍がいなければ自分は死んでいた。
死ぬのが少し伸びたまでだったのか?しかし思い直してみれば彼らはあの時選択を迫った。
反乱軍に入るか、今の荒み切った生活を続けるか。
自分が前者を選んだ。その時はそれが正しい選択だと思っていたから、今も同じだろう。今も選択を迫られているのだ。
なら選ぼう。
「すみません。メーターの調子が悪いので管制室へ調整しに行ってきます。」
「あぁ。それなら頼む。だけどなるべく早くな…今は一人も欠けてはいけない状態なのだからな……」
「……はい………」
席を立ち、歩みをすすめた。
しかし向かった先は管制室ではない。脱出ポッドが大量に備え付けられているタンクだ。
パスワードを使うとコンピューターで筒抜けになってしまうから抜け道を使った。こう見えても帝国の侵略を受ける前は技師だったのだ。パイプや配管が通っていないところなど壁を叩けば一目瞭然だ。
脱出ポッドに入ると行き先を南東に設定した。つまり帝国の水上母艦だ。※1ハンガーへ不時着すれば確実に捕らえられる。事情を話せば減刑を望めるかも知れない。
次の瞬間。何の迷いもなくポッドの発射ボタンを押していた。
全てを捨てた。
受けた恩義も、流儀もプライドも、自分は保身の為に敵へ投降したのだ。
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