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あの日の夜はあまりアルストロメリアが咲かなかった。  作者: 春日野道
To get begin of the peace.
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帝国の策略

読んでいただき誠にありがとうございます!

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 寝ているレオリコを起こさないように、船の音をステルス仕様に変更して静かにフォルス基地へと向かっていた。この小惑星の中で衛星を見つけるのはとても困難なことだ。


「後、数時間はかかりそうだな。」石原がぼやくと”コンピューターヒヤシンス”が口を開いた。「独り言ですか?」石原は飛び退いた。「うわ!・・・そうか修理完了してたのか・・・・」


ヒヤシンスは「あなたの情報のダウンロードに時間がかかっていたんです。」と説明した。そして「で、新しい恋人は出来ました?」とからかうようなことを言った。


石原は「お節介め」といなそうとしたが、紫色の花の名前を付けられたコンピューターは「あなたと同世代で、しかも容姿端麗のチレン・レオリコ総裁?それともレディアーミテイジ?」と興味有り気に言った。石原は


面倒臭そうに「黙れや。」と言った。ヒヤシンスは「あなたに関わった女性はみんな、悲しい末路を辿っていますよね。その大抵は・・・・・死という最低な結末を・・・・」


石原は「偶然だ・・・」と俯きがちに言った。ヒヤシンスは「先ほどもあなたと激しく交わっていた美女が死にましたが?」と鬼の首を取ったように喋った。石原はコンピューターの電源ケーブルを抜いた。


レオリコの寝ている部屋へ向かった石原はジュニモールの薬草が入ったココアを作っていた。見かけによらず家庭的なことをする石原の気配に気づいたのかレオリコは体を起こす。


「ん・・・・・ん・・・・」石原も気づいてココアの入ったマグカップを持ってレオリコの側へ座った。そして、彼女の口の周りを覆っている酸素マスクを外して点滴も外して消毒した。


コリンジャルスの毒の陽性反応を調べても陰性だったから完全に除毒に成功していた。


レオリコはココアを飲むと、やつれた感じがなくなり、気持ちが楽になったようで「これ美味しいわね。」と呟いた。


「だろ?」と石原は彼女のマグカップを受け取った。レオリコは「ん?女の匂いがするわよ?」と白い目を向けた。そして続け様に「もしかしてあなた・・寝ている私を・・・」


「んなことするわけねぇだろ!!第一あんたはタイプじゃねぇし、これは殺し屋と戦った時についたんだよ。」


「殺し屋と戦って女の匂いがつくかしら?」レオリコは呆れ気味にそう言って壁にもたれた。


「ねぇ・・・・私・・・あなたとこうして関わっているうちに、あなたの優しさに気づいたの・・・何やかんやいつも助けてくれるし・・・・何より・・・」


石原は続きを言った。「ハンサムで背が高くてカッコ良い?」


レオリコは笑った。「そうかもね・・・」二人はまだ気ついていなかったが確実に二人の距離は縮まっていた。物理的な距離も、心理的な距離も・・・・


二人は、石原はどうか分からないがレオリコは胸の高鳴りを感じていた。今まで味わったことのないようなドキドキとした・・・


二人はしばし黙っていた。気まずいとかそう言ったマイナスの沈黙ではない。何を言えば良いか分からなかったのだ。石原はレオリコの手を取った。レオリコの心拍数はかつてないほど上昇していた。


レオリコは体の力を抜いた。石原は彼女の頬に触れ、優しく、丁寧に口づけをした。レオリコも彼に身を任せた。彼の首に手を回して顔を近づけた。


石原は先ほどやったような荒々しくするような真似はせず、彼女の脇を持って優しく包み込み愛し合った。


そして彼らはベッドの上に倒れた・・・・・


 帝国連邦政府の移動型巨大基地ジフィター級ギャラクシーディサスターでは大騒ぎが起こっていた。賞金稼ぎのレディアーミテイジと連絡が取れなくなっただけでなく、基地へ向かったヴィクター級四期とジアント、輸送船、兵士が全員反乱軍に殲滅されたとの連絡が入ったのだ。


しかも、レベル2のヴィクター級の報告では、謎のシャトルがミサイルを発射して壊滅したというのだ。しかもレディアーミテイジが最後に残した定期報告の中には一枚の写真が含まれていた。一人の男性の写真。この辺では見ない顔の若い顔だ。


さらに、ホログラム越しにその報告をしたレグリナ中佐とアクシズ大佐が処刑されたことや、皇帝がその男性の写真を見て異様なまでの怒りと殺意を表したことからジフィター級ではその類の噂が絶えなかった。


アミネス大宰相がこの件について一切の言及と会話を禁じるとの命令を出したから表立って噂することができなくなったが、とにかく皇帝とあの男性の間には何かあるということだ。反乱軍に救世主が現れたとなれば、それが既にヴィクター級五隻を破壊するような腕の持ち主であればこちら側にとって脅威であることに間違いはない。


ということでこの男性の身元調査や捜索が始まり、巷では9817ゴリーノ(三億円)の懸賞金がかけられ、バウンティハンターにも通達が届いた。この男を殺さねばならない。それだけは一つの紛れもない事実であった。


 帝国連邦政府の星と呼ばれているジミー級ギャラクシーディサスターの女艦長、セルビナ・カーペンターは完璧な戦略を立てることで有名だった。


彼女はアカデミー時代の成績こそ振るわなかったが、あり一匹逃がさぬ完璧な戦略網を考案し、いくつもの戦果を上げたことで最年少で艦長の地位に上り詰めた悪女だ。


そして彼女は男の捕獲に誰よりも熱心に取り組んでいた。彼女には自信と確信があった。この戦略ならば反乱軍を壊滅できるだけでなく、男の捕獲にも成功すると・・・・そして彼女は司令官に一つの指示を出した。


「”アナザースパイ作戦”を実行せよ」と。


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