シャトルの命名。
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石原は格納庫の巨大な扉を内側へ開けて中へ入った。
電子部品を繋ぎ合わせて簡単なパスワード解読装置を作って楽々と鍵を開けた。
自分のシャトルは確か帝国に押収されたはずだが自動プログラムでステルス化してこの格納庫へ戻ってくるように設定しておいた。
だからこの格納庫にあるはずだ。
しかもシャトルには硬いシールドが貼られていて誰一人触れることもできないし中に入ることもできない。勿論外装をいじることもできないはずだ。
内部の装置にも手は入れられていないはずだ。
投獄される前に自分のテクノロジーを全て隠そうとした。その隠した先がこの船内のコックピットだ。
石原はシャトルを探すべく中を進んだ。埃を被った旧型の反乱軍戦闘機や、ドロイドの残骸などやかなり古いスターファイター。
特に石原の目を引いたのは丸型のコックピットの左右に三角形のような形をした翼が四つついている奇抜なデザインのスターファイターだった。
名札を見た。「G-スラータ型か‥‥」そう呟いて見た。
そうこうしている内にシャトルを見つけた。
こいつには助けられる時も多いがトラブルに巻き込まれることも多い。そういえばこいつには正式な名前がついていなかったな。
元の製品名はY-29要人輸送シャトルだ。だが石原はその名前が本当に嫌いだった。だから普通にシャトルと呼んでいたのだ。
しかし名前をつけたい。
コンピューターのヒヤシンスでもいいけど専用の船名が欲しいな。
メンテが面倒臭い、オイル漏れが致命的。性能はピカイチだがそれは自分が改造したからだ。だが乗り回しが効くし何より離陸体制の時に両翼が縦に回転するのがお気に入りだった。部屋数も多いのも拘りだった。
だが最初は非常にうざいシャトルだった。うざい‥‥うざいか‥‥‥ANNOYINGか‥‥アノーイング号。
どこかしっくりきた。
口でも言ってみた。「シャトルアノーイング号」石原は嬉しそう表情を浮かべた。
シールドを顔認証で解いてコックピットの方へ回る。人差し指でくいっとつまみを回してナンバーキーを露わにした。
ナンバーキーの数字を素早く押すとタラップのロックが外れ、キュッキュッという軽快なロック解除音が響く。
タラップの横の紐を拳でドンと叩くとタラップが降りてくる。
それを駆け上がり、コックピットへ向かう。床には自分が作った道具が落ちている。———次元移動銃か‥‥
友の命と引き換えの産物だ‥‥
しっかりと握った。そして二度と誰も失わないように懐へしまった。全ての道具をしまい終えるとコックピットのロックを解除した。
ヒヤシンスに一声。「ヒヤシンス。」
すると即座に返事が返ってくる。「パスワードをどうぞ。」
「バットメ———ン」
「ようこそ。」
これだよこれ。石原はコックピットへ座りシャトルを飛ばした。
「ひゃっほ———!!!!!」
石原を乗せたアノーイングは天の川を悠々と超えた。
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