帰還。
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石原はジアントが現れればかならず偵察がくることを知っていた。
無駄に性能の良い気象観測装置がジアントを捉えないはずがないからだ。
計画通り偵察兵を気絶させてGPSを手に入れた。
これで都市部に向かうことができる。
しかし遠いな。自分が初めて着地した地点から都市部までは五千キロメートル。
ここからは一万七千六百メートル。
気が遠くなりそうだがコンパスができたと思えば気が楽になる。
確かジェットパックも付いていたはずだ。
手首のパネルを操作して出力を最大に設定する。ゴオオオオオという衝撃が辺りを包んだ時、石原の体を風に乗り星屑や真っ暗の空へ通った。
都市部ではアパートメントビルやマンション、工場や機械設計所、会社の事務所などの高層ビルが立ち並んでいる。
ジェットパックのバッテリーが切れることを危惧して、都市部に入った瞬間に目についたビルの屋上へ着地した、
暑苦しいアーマーを脱ぎ捨ててゴミ箱へ突っ込んだ。代わりに、今は昔に流行っていた鯱鉾のついた物干し竿にかかっている黒のズボンとカッターシャツを拝借して着込んだ。
寒空という表現は似合わない。この夜の空には暖かいとも寒いともいえない何かがある。雰囲気や気温、
気配などの言葉では到底喩えようのない何か。綺麗ではないんだ。別に自由でもないんだ。だからといって窮屈でもない。
ただこう考える。
もし戦争が終わって帝国から解放されれば、ここに自由な空が蘇るんだ。それを望んで自分達は心が解き放たれたような、澄み切った気持ちを味わっている。
このよく分からない空の下で‥‥‥
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