奇襲。
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ザッ、ザッ、ザッ、金属ブーツの踵が音を出す。
盛り土にフォーカスする。
後ろで何かが横切った感覚があった。
振り向いて警戒を張るよりも早く首の辺りに鈍い衝撃が走った。
痛みにうめく暇すら与えられずに体制が崩れる。
ライフルのマガジンで相手を殴りつけてようやく体制を立て直した。
高性能スコープに黒いタイツに白い能面をつけた男が確認できた。
スコープのお蔭で男の体格、戦闘手法、次の動作、次の次の動作がおおよそ把握できた。
男は右拳にパイプを握っている。次は頭を狙ってくるつもりだ。
やられっぱなしでたまるか。ボケ野郎。怒りと負けん気が混濁したものが全身に巡る。
——っ‥‥‥
ガンッ!!!!
偵察兵は重いアーマーに引きつられて倒れる。
何?何が起こったんだ?スコープが表示した情報とは違う攻撃をしてきた。
パイプに注意を引かれすぎて、足に仕込まれた鋭利な刃物に気が付かなかった。
腹部に熱いものが込み上げる。鮮血と脂と汗の混じった液体がアーマーを伝って下へ落ちていく。
きっとバグだ。スコープのバグだ。そうに決まってる。
この男が科学技術を超えてきたなどということがあるはずがない。そうだ。そうだ。そうに決まってる。
予測なんてできるはずがない。天才の石原春がつくったスコープなんだ。
まぐれだ。次は予想できるはずがない。そうに決まってる。
そう、自分に信じ込ませてライフルのグリップで殴りかかる。男は次にタックルをしてくるはずだ。
予想通り。脇腹に向けてタックルをしてきた。
背骨をいただくぜ。
———何?
それが偵察兵が心の中で発した最後の言葉だった。男はアーマーやバックルを剥ぎ取って装着した。
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