天才消沈
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「もういい。行こう。」
「もういいのか?」
「ああ・・・・・・・・・」
石原は足早にこの惨状から立ち去った。もう知っている結末を二度も見たくなかった。二度と見たくなかったというべきだろうか・・・・・
帝国が攻撃を中止し反乱軍が解散したことで同盟惑星は取り戻した平和を謳歌していた。
皆呑気に、戦争が起こっていた時とは比べものにならないほどに楽観的な暮らしをしていた。
レオリコももう反乱軍の総裁ではない。
石原と一緒に住んでいた広々としたアパートビルで一人ポツンと暮らしていた。
何の刺激も面白味もない毎日だった。
しなければいけないことも無くなった。ただ時間だけは腐るほどあった。読書をしてみたりしてもすぐに飽きる。
何事にも集中できない。反乱軍と石原がいないとこんなにも自分の人生は空っぽだったのか。
寂しい。確かに寂しい。石原がいないと悲しい。悔しい。寂しい。負の感情がレオリコの中で渦巻いていた。
だからといって石原を逃すわけにもいかない。できることなら逃したいと思う。
だが・・・・そのなことができると思うだろうか。
石原の残した武器や技術があれば、できるかもしれない。下手な鉄砲も数撃てば当たるという。使いこなせていなくても
勘で動かせば莫大なエネルギーが動き出すだろう。
レオリコは考える。この状況は平和などではない。自由な空。そんなものは帰ってきていない。
なんだろうこの気持ちは。ドクテルマテオが崩壊した時と同じような虚しさだ。
レオリコは頭を抱える。
「ここでトラスRのプレスをかますんだ。で・・・溶液を・・・入れると・・・ほら」
「なるほど・・・・・大した科学力だよ・・・帝国で働くこともできたのに・・・残念だよ。」
「・・・・・できましたよ・・・この紙に全てが書かれています・・・・」
「素晴らしいよ。」サトリアーニはタブレット端末を懐から取り出してその長い紙を撮った。
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