逃走
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「クロソルト艦長。この後いかがなさいましょう。」
「好きにさせれば良い。しかし適度に近づけてトラクタービームにかけろ。ハンガーには兵士をスタンバイさせておけ。」
「はい。艦長。」
賞金稼ぎなどに手伝ってもらわなければ事を進められないことには屈辱しかないが流石奴らもプロだ、良い仕事をする。ドローンを飛ばしてセクターへの奇襲を感知し即座に我々に知らせてくれた。
後は我々が動けば良い。この完成したばかりの巨大艦隊を一眼でも見れば飛び上がって逃げ出すに決まっているのだ。
更に燃料投下だ。
「スーパーレーザー用意!!!!!」
「目標は?」管制員が問う。
「前方の惑星だ。」
「シャトルではないのですか?」
「威嚇という言葉を知らんようだな。」
管制員は黙ってスーパーレーザーの管理棟へ連絡を回した。
史上最低の職場とも揶揄されるこの現場では数億人の命を奪うレーザーの引き金を引く。管理人のモスコトは円錐のパネルのスピーカーから発射命令を受け取った。
モストコはいつものように命令を復唱し、間違いではない事を確認して発射管理システムの前に座る黒のヘルメットを被った管制員達に合図を出す。
管制員達は手早く計器に手を乗せた。「スーパーレーザー受電完了」「発射シーケンス始動」
「能接プロセス計算中」「発射コード5383291」「入力」「発射準備完了」
様々な掛け声とコンピューターのスイッチの音が交錯する中でレーザーの威力が7%に設定された後に砲撃手はレバーを下ろす。
レバーを下ろす手はいつも重かった。砲撃手はジフィター級の砲撃班から移ってきた男だ。ジフィター級にいた時もこの手に握ったレバーで何百億人もの生命を奪ってきたのだ。
そんな罪悪感からレバーを下ろす手に枷がかかるようになったのだ。しかし・・・・・
石原達はとにかく逃げた。
「くそっっっ!!!」石原が嘆いた時、漆黒の宇宙空間に眩い光が輝いた。
レオリコは歯をカチカチと震わせた。南森は頭の理解が追いつかないようで無意識のうちに笑っていた。
しかしその笑い声には何の面白味も楽しさも感じられなかった。
石原達の眼前にあった惑星が黒のレーザーによって破壊されたのだ。周囲の音が吸収されて惑星の遺言である爆発音すらも聞き取ることができなかった。
次に音が聞こえた時には数秒前まで目の前に存在していた惑星は数億個の小惑星に姿を変えていた。
石原はあまりの衝撃に操縦桿から手が離れてしまった。
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