天才の交渉
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※1帝国連邦政府の主力艦隊。ヴィクター級は数ある巨大戦艦の中でも最小の大きさ。
※2帝国の実質の基地。移動型の拠点なだけに大きさは星系を四つ覆い隠す程巨大。
一同は膝とついた。何とか倒れるのを防いだ総裁は男に寄りかかった。狼狽してすぐに体制を整えると何事かと叫んだ。
窓から外を見た船員は絶望した。
何故ならばそこには帝国連邦政府の※1ヴィクター級ギャラクシーディサスターが目と鼻の先に迫っていたからだ。
遭難の危機感に薄れて忘れていた。自分達がこんなオンボロの船に乗っていた理由を。
——元老院との会議中。帝国の独裁に対抗すべく立ち上がった反乱同盟軍総裁のチレン・レオリコは帝国の要人に拉致された。総裁奪還の為に反乱軍の一個大隊が※2ジフィター級に乗り込んだのだ。
一個大隊の壊滅と引き換えにレオリコ総裁の救出に成功した。そしてその矢先に宇宙遭難したのだ。
きっとこのヴィクター級はレオリコを追ってきたのだろう。
驚愕の声をあげ、パニックに陥った。
一人の船員が途切れ途切れに叫ぶ。「何してるパイロット!!・・・!早く方向転換しろ!」
パイロットは「無理だ!モーションジャンプが壊れた衝撃で反応路もやられたからてこでも水平移動を止めることができない!」
船員達は「くそぉぉ!!!」と嘆いた。ネガティブな独り言を叫ぶ者が溢れかえるコクリコ号はまさにカオスだった。
しかしそんな中でも総裁は即座に状況を整理し、一つの結論を出した、
「我々の船は動かないが、このコクリコ号の中に一台動く船がある。」そう言って男の方を見た。
男は「確かに俺の船は動く。武装もある。だがな誰だってただでは動きたくないもんだ。第一お互い名前も知らないだろう?」
この言葉の意味を反乱者達は心得ていた。
金をよこせということだ。
パイロット含めまともな思考回路を持っている船員達は憤慨した。「この野郎!」と言って殴りかかろうとする船員もいたが男は冷静に「おっと、俺に触れたら死ぬことを忘れるなよ」と余裕を醸し出した、
レコリオ総裁は少し考えるそぶりを見せてこう言った。
「今この状況を打開できるのなら四百払います。後名前を教えてください。」
男は図々しくもこう言った。
「値段の交渉は後だ。金を払う気があるのか聞いているんだ。」
一同は男のゲスっぷりに心底呆れた。
「後名前だったな。そんなに知りたければ教えてやろう。石原春だ。」
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