ベリアル
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痛みの声を上げる間も無く首筋を掴まれた。そして窓へ向かって放り投げられた。
皇帝はローブを脱ぎ捨てた。そして金属を擦るような声で「貴様のような小物を何故重宝するかわかっているか?アミネス大宰相よ。」と語りかけた。
アミネスは悶えながら「私が有能だから・・・・ですか?」と消えそうな声で答えた。
皇帝は一寸おいてもう一度玉座に座って「有能か無能かという問題ではない。貴様の野心だ。」
アミネスは体を起こした。
「貴様は私に忠誠を誓っていながらもいつしか帝国を自分のものにしたいと考えている、」
「・・・そんなことはありませ」
「そのような考えは普通のことだ・・・帝国軍人ならば一度は自分が皇帝の座に君臨しようと考えるのだ。しかし貴様の心の中には・・・・他のものとは到底比べ物にならないほどの邪悪な塊が漂っておる・・・・
それは野望とも野心ともいえるが・・・・純粋な悪・・・・・と呼んだ方が合理的だ。」
痩せこけた頬が不気味に吊り上がった。
アミネスは命の危機を感じ取った。どうやら皇帝の攻撃を受けてもまだ死なないと思っていたようだ。
体制を整えて皇帝の斜めに立つ。
「・・・・・ご指示を仰ぐことをお許しください・・・・・」
「貴様には・・・・・補佐をつける・・・・・・貴様は先ほども言った通り負のエネルギーが一層強い・・・・それを制御するためのストッパーが必要だ・・・」皇帝は手を上げた。
すると立ち並ぶ七人の右腕から一人の男が歩み出る。
その男は赤と銀に光るパワードスーツに身を包んでいた。その男は皇帝の隣でゆっくりと腕を組んだ。
「これは余の弟子・・・ベリアル卿である・・・・・闇の錬金術と科学を融合させた力を使う・・・貴様はベリアルとジフィター級で指揮をとれ・・・・そしてこれからは反乱軍殲滅の優先順位を一つ下げるが良い・・・・」
「何故ですか?いくら小規模といえど十二分に我々の脅威となり得ます。」
「これからは・・・・石原春の身柄拘束を第一に考えるが良い・・・・貴様の船に腕利きの賞金稼ぎを何人か派遣しておいた・・・・戻る頃には到着しているだろう・・・・話は以上だ。」
「閣下。充分なリスクヘッジの検討を。奴は一人でヴィクター級を八隻、ジミー級を一隻、それにカーペンターと一騎打ちで勝利した男です。こちらがアクションを起こして何も反応しないとは思えません。それに報告によると高性能のテレポーター
も擁しているとのことです。いつ逃げられてもおかしくありません。それよりも、セクターの管理についてもう少し詰めた方がよろしいかと。」
「奴は逃げない・・・・それに私の目的はそのテレポーターにある・・・・・船に戻れ。私は詮索されるのが嫌いだ・・・・これ以上詮索しない方が貴様のためだ・・・・」
そういうと皇帝は玉座の背を向けた。
ベリアルは小さく頷き、アミネスと共にジフィター級へ戻っていった。
ジフィター級に戻ると既に何人かの賞金稼ぎがブリッジで待機していた。
ワニ頭の男はよく分からない言葉で管制員を困惑させていた。
脇に控えている真紅のアーマーの奴は・・・あぁ、レディアーミイテイジとかいう賞金稼ぎだ。前に一度基地の特定を依頼したことがあったが確かレイニルナを最後に連絡をよこさなくなったから水怪獣に食われたかボディガードに負けたかぐらいにしか思っていなかったが生きていたとは意外だった。
アミネスは素早くブリッジへ向かうと賞金稼ぎ達に話を始めた。
「親愛なるバウンティハンターたちよ。我々は以前にも諸君らに仕事を依頼したかもしれないが今回は重大だ。」そういうとスクリーンに一つの映像を映し出した。
それは石原春の顔と身体的特徴の他に石原の愛機である赤と黒のシャトルだった。
レディアーミテイジはスクリーンを凝視した。
「先に言っておくが舐めてかかってはいけない。諸君らの貴重な命が無残に奪われるだけだ。この男は疫病神に他ならない。早急に祓ってもらおう。何度も言うが本当に注意してほしい。現に我々はこの男に出会ってからたくさんの優秀な人員と艦隊を失った。出し惜しみはしない。この男を生捕りにして連れてきたものに臨むものを与えよう。」
アミネスは言葉を切らずに続けた。
「質問は?」
手を上げる代わりに各々ブリッジから出た。ただ一人レディアーミテイジだけがいつまでもスクリーンを眺めていた。最もアミネスが声をかけると他のものと同じようにブリッジから出て行ったが。
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