揺らぎ
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石原が戻ったという知らせを受けてゴールド大隊率いる反乱軍は意気揚々とモーションジャンプから抜けてジミー級へ攻撃を仕掛けた。
カーペンターという優秀な艦長が欠けたジミー級は今やただの船だ。方向転換するかモーションジャンプするかしかできないだろう。反乱者たちはこう考えて大胆に攻撃していった。
カーペンターがいなくなって相当不利益を被ったと見える。いつもなら最初の攻撃が起こった時点でジアントが数十機は出てきていたのにジミー級に何度か近づいても依然出撃してくる様子はなかった。
ジミー級のブリッジの状況は”混乱”の二文字で表せるほどあからさまな混乱状態だった。船を動かす者にしてみればどう動かすのがベストなのかすらも分からない。
だからといってこのまま右往左往していては反乱軍に負けてしまうし、何よりも自分達の命が危ない。彼らは今になって指導者の存在の大きさを痛感した。
その時、ブリッジに一人の男が現れた。ブリッジは鎮静した。その男はふてぶてしくも「これから私がこの船の指揮をとる。まずはジアント二十五機を六方位から出撃させろ。」と機械音の混じる人声で言った。
追いかけてきた副総督は「お前は誰なんだ。勝手に船の指揮を取るな!」と憤慨した様子を見せたがその男が「七人の右腕の一人だ。」と言ったら全員黙りこくって「ジアント出撃!」だの「方向転換!」だのと叫び始めた。
そしてローブとアーマーに身を包んだその男は聞き取れない何かを呟いてブリッジを出ていった。
反乱軍は半ば石原に率いられるようにして宇宙空間を前進していた。レオリコはコムリンクで石原を含む全部隊にこう告げた。「恐らく船の指揮権が誰かしらに移り、ジアントが出撃してくるものと思われます。
格納庫で待機して袋叩きにしてください。」皆、返事をしたがとりわけ石原は強く返事をした。
ゴールド中隊は格納庫の真下で待機し、それ以外はとにかくジミー級への攻撃に尽力した。皆、並々ならぬ覚悟と期待を胸に膨らませていた。ようやく帝国瓦解への一歩が踏み出されようとしている。ようやくこの巨大艦隊を破壊できる。
石原も同じ考えだった。最初はなんの信念もなく干からびたように宇宙を彷徨っていたが、今はしっかりと反乱の意思を持っている。なによりも彼の反乱はレオリコと平和に暮らせるようになるためのものだった。
自分と同じような境遇の男がこの支配された銀河にいて辛い思いをしていると思えば、自然と勇気が出た。
石原の作った高性能なコンピューターのお陰か石原の視力の良さと気配察知能力の高さのお陰か、どっちにしろ石原の能力が高いことには変わらないがジミー級の腹当たりで自分を見上げる男がいることに気がついた。
無重力空間で立っていられるということは何かしらアーマーかパワードスーツを着ているのだろう。アーマーの光沢が確認できないということはローブか何かで身を包んでいるのだろう。
不審に思って拡大してみると、やはりパワードスーツを着ていた。石原のものとよく似ている。銀色のベースに所々赤の光が見え、表情の部分は黒のベースに不気味な模様が赤で光っていた。
男は動いた。そして腕を前に出し、反乱軍のゴールド大隊の方へと向けた。照準を合わせているようだった。
石原はその男のせんとしていることが分かった。咄嗟にコムリンクをONにして、「おい!!クリミナル!!避けろ!!!」と叫んだ。
しかし、その忠告は遅すぎた。男は腕からミサイルを発射させると、そのミサイルは幾つかに分裂してゴールド大隊へと突っ込んだ。逃げる暇も与えられず完全にロックオンされたゴールド大隊は次々と撃沈されていった。
最後まで粘っていたクリミナルも「だめだ・・・振り切れない。」と弱音を漏らした。
石原は「待ってろ!すぐ助ける!」と励ますように言ったが、次の瞬間。
「反乱軍に希望あり!!」というクリミナルの言葉と同時に爆発音が辺りを支配した。
石原は目の前の光景を現実だと信じるのにしばし、時間を要した。
そしてゴールド大隊を壊滅した男に煮えたぎらんばかりの殺意を覚えていた。
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