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短編

かなしくなった。

作者:
掲載日:2020/07/17

かなしくなった。


とてもとてもすきだった小説が消えた。


十年会っていなかったおじいちゃんが、しんだ。


中学から一緒に暮らす、老犬の歯が抜けた。


なくなっていく。


失くなっていく。


無くなっていく。


歳をとっている、つもりはなかった。


でも、気がつけば、いろんなもの、ひと、たいせつにしていた存在が、触れられないところに行ってしまう。


かなしくなった。


なきたくなった。


なけなくなった。


ああ、ああ、と息を吐いて……胸が詰まる。


たすけてほしい。


たすけてくれない。


いつからか、お腹に力がはいらない。



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