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バレンタインなんてくそくらえ
廊下の一番端
土木の教室のゴミ箱に
私は手作りのチョコレートケーキを箱ごと捨てた
昔からそうだった
なにかと癇癪持ちで何か取り憑いているんじゃないかとおばあちゃんに心配されるくらいの気性の荒さ
兄と喧嘩すれば扇風機を蹴り上げ倒し
泣きながら隣の小学校のブランコに逃走
出掛けるよ置いていくよいいのと
エンジンをかけるフリをして呼び戻そうとする
親と兄を他所に
意地でも折れずにブランコから動かなかった
とても寂しいし不安だったけれど
向こうが折れて竹林をくぐりぬけて
迎えに来てくれるのが嬉しかったから
ごめんねって抱き締めて欲しくて
待っていた