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あの子に会いたい  作者: 鮫島 蘭
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8, 細田家

 細田家は 建売住宅の並びの裏手 古い戸建てだった。


 細田は 夫と離婚をし 実家であるこの家に小学生の(れん)・咲良の子供2人を連れて帰ってきたらしい。妹は年少組だが 紘くんとは違うクラスだ。

居間に入ると 確かに 家の中は5・60代の感覚でで昔のホームドラマのようだった。

 細田みきにも 同じ質問を尋ねる。

「紘くんママはねぇ 厳しいのよぉ。男の子なんだし ちょっとケガするくらい いいじゃーんねえ。今年 入園したときにはあのバス停使う中でぇ 男の子のママが私しかいなかったじゃん?だから いろいろ相談されてたけどぉ。」


「待ってください。男の子は設楽さんのところにもいますよね?」

「え!?知らないのぉ? ケーサツさんがそんなんで 紘くん見つけられんのぉ?

大斗くんとこは 去年の秋ぐらいに引っ越してきたんだよぉ。でさぁ、やっと男の子ママが増えたって喜んでたんだけどぉ  大斗くんって落ち着いてて 紘くんとはぜぇんぜん違うタイプだから話が合わなくってさぁ。でも あれだよね、大斗くんってちょっとさぁ、なんていうか 発達グレーっぽいよねぇ。」

話が 逸れそうになったので 新たな質問を捻りだした。

「最近 このあたりで変わったこととか 不審なことはありませんか。」


「とくにないけどぉ。」

「細田さんは こちらのお宅が ご実家だとか。」

「そうだけどぉ、なんか今回のことに カンケーあるのぉ?ここはウチの両親がまだ働いてて 私は育児専門。もちろん 彼氏はいるよー。だって いろいろストレスとかたまんじゃん?だから、オヤが仕事中とか 寝ちゃった夜中とかに家に来てもらってさぁ!  うん、そうそう、車で。 もうマフラーとかパオーン言わせちゃってさぁ。かっこいいのぉぉ。そりゃぁもうラブラブよぉ。結婚??まぁぁ したいけどぉ、なんかぁ、ダーリンって夢があるらしくって 自分の息子が3歳くらいから 野球教え込みたいんだって。プロにするんだってさぇ。だからぁウチのレンじゃでかすぎなんだってぇ。ウケルよねぇ。あ、カレのことは ママ友には 内緒だからぁ。」


 この人は 話が長い。語尾をだらーっと伸ばしながら カンケーない話に脱線する。 無駄な話をぼーっと聞きながら 考える。

去年の秋か・・・。あの事故の捜索が打ち切られた頃だな。 あの母親は 今頃 どうしているだろうかと。

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