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あの子に会いたい  作者: 鮫島 蘭
2/22

2, 公園へ


部長のデスクには すでに私以外のメンバーが集まっていた。引きで見ても めらめらとやる気のみなぎる須田。先輩たち田中・鈴木も いつもとは違う。私が揃うと部長は静かに話し始めた。

「先ほど 午後15時過ぎ 栄町1丁目にある 通称○○公園で 男の園児の姿が見えなくなった。一緒に遊んでいた親子数名が付近を捜索したが行方が分からず通報。我々のチームに連絡がきた。すぐに現場に向かってくれ。」


○○公園は、小さな遊具がいくつかと小さな砂場の小さな公園だ。新興住宅街の真ん中でとりたてて特徴もない。 

すぐに目に入ったのは 奥のベンチで取り乱す女性にその女性の背中をさする女性、そして その様子を心配そうに見守る子供たちの姿だった。遊具の辺りから 子供を呼ぶ声がするのも 関係者だろう。

まずは ベンチに向かい 私から声をかける。

「警察から来ました北川です。お子さんがいなくなったとか。」

嗚咽交じりの女性が答える。

「くぇrちゅjkjはえn」なにを言っているのか判らない。


隣の女性が わずかにはっとした顔をしたあとに続ける。

「ひろ君がいなくなってしまったんです。公園で子供たちを遊ばせていて 私たちがこのベンチで話し込んでいるうちに。かくれんぼでもしているのかと思って残った子供たちに確認したんですが だれも見ていなくって。」

そのうちに 声を掛けて探していた他の母親たちもベンチに集まってきた。

「子供の行ける範囲は 探したんですけど いないの。」と。



すぐに鈴木先輩と 須田が辺りを見て回る。見通しのいいこの場所でふざけて隠れているとも思えなかった。

田中先輩は ベンチの端に座って 女性と目線を同じにした。詳しい状況を確認しているようだった。

私は その様子をみまもりつつ さっきから妙な視界を感じる隣の女性に声をかけた。

「いきさつを詳しく教えてください。」


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