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あの子に会いたい  作者: 鮫島 蘭
18/22

18, 2年前 ③

 そこから数カ月。ただただ 時間の中を漂っていた。 あれから季節がいくつか過ぎたが

 いまが  暑いのか寒いのかもわからない。ただ家にいると 夫と 息子が帰ってきそうで期待をしてしまう。



 探しに行かなくちゃ。2人を。外に。いいや 2人は死んだんだ。私の運転する車の中で。相手のトラックの運転手は深夜勤務を終え 事務所に帰る途中だった。ついうとうとしてしまったと 涙ながらに謝罪された。


 でもそんなことはどうでもいい。  2人は死んだ。人は死んだらどうなるのだろう。そうか 川を渡るんだ。三途とかいう川を渡れば 天国があってそこに2人が楽しく過ごしているとか誰かが言っていた。   そこで会えるんだ。  ・・・ 川だ。どこにある。



 電車に1時間くらいは乗っただろうか。駅を降りると キャンプ場直通という臨時バスが出ていた。キャンプ場には なにがある、川。そうか 私の愛する2人は そこで遊んでいるんだ。わたしを待っているに違いない。 



 バスを降りて 何組かの家族が 歩いていく方向についていく。 2人を探さなくっちゃ。探さなくっちゃ。探さなくっちゃ。



「おーい!」どこに隠れているんだろう。

ずいぶん探した気がする。風が涼しくなり 影もだいぶん長くなった。つかれた。座ろう。



---------------そうだった 2人は死んだんだ。

このまま ここで眠ろう。数日間の我慢でわたしを きっと2人が迎えにきてくれるから。




「ままーー」ああ子供の声がする。意外と早く来てくれた。

「ままぁーーー」 はぁい、ここにいますよ。

「まぁーまぁーー」・・・違う。現実だ。本物の子供の声がする。


起き上がって 周りを見回す。 ロングヘアーを2つに結んだ 女の子が泣いていた。

サンダルが片方脱げている。天使にしては 鼻水出しすぎだ。

迷子だとはわかっていた。 とっさに出た言葉は


「おばさんが ママのところに連れていってあげるからね。」



---------------------------------------


 どうしてだろう 知らない子供と家に帰ってきた。

女の子に ママがすぐに迎えに来るからというと 泣きつかれたのか彼女は眠ってしまった。


その寝顔を見ながら ある思いに至ったのだった。




そして私は 工作用のハサミを持ってきた。ひと思いに。





    ざくっと音がする。


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