11, 2日目の午後
午後には 部長が幼稚園へ説明に出向くので 私と須田が岩井家待機だ。まったく進展のない状況に 父親が焦りを隠さなくなってきている。少しでも情報をと 3件で聞いた話を両親に確認したりしていた。
もちろん 2人の耳に入っても大丈夫な話だけしかしない。慎重にだ。慎重にだよ、と 須田にアイコンタクトを送ろうと彼をみる。
須田が明らかにそわそわしている。メラメラでも ギラギラでもない。右手を常に胸元に。あの行動の意味はすぐに分かっている。スマホの振動を いち早く感じたいんだ。
こんなときに?・・・なにかおかしい。
須田を呼び出し詰問する。
「あんた なんか連絡待ってるでしょ。」
「いやぁーそのーー。半年前の事故の時の部長のやり方から推測するに 今夜は自宅に帰ってゆっくり休むように、って指示を出すと思うんです。
だからーそのー・・・ 先ほど設楽さんの奥さんに夕飯たべにおいでって、うちの子も不安がってるから 泊まってくれたら安心だなって言われましてぇ あっもちろん 変な気持ちとかはありません!!約束します。純粋にボディガードです。不安になってる設楽さんと 息子君を守るのが警察ですっ!」
いつのまにそんな展開に。そうだ、設楽家を出るときに 私がトイレを借りた。そのときか。 キチンと注意をしようと思っていたのに 遅かった。だた 同級生である 彼女を心配していないわけではない。我が子ではなくても 自分の目の前で 事件が起きたのだから。
「絶対 変な事するんじゃないわよ。そして わたしも夕飯ごちそうになりにいくから。」
夕方、須田の予想通り そろそろチーム交代で休息を取ろうということになった。部長は 若手二人が最初だと。若い奴にはいざとなったら 走ってもらわんといかん。だから先に休めと。これも半年前と同じだ。 きっと年長者である部長なりの 気遣いであることは間違いない。




