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子どもメガネ

作者: ホタテ屋
掲載日:2018/04/27

男が通う電車の中はたとえ冬であろうといつも熱気で満たされている。

たとえそれが終電間際でも、だ。

そのような電車には老若男女問わずさまざまな人が乗っているが、皆決まって少しシワができたスーツを来て、どこかやつれた顔をしている。

人の波に身を任せ、器用に眠るこの若い男もその一人である。

目には青黒く深い隈ができ、肩は本来の位置からさらに沈み込んでいた。

男の目的の駅に着くと皆もそうだったのか、人が雪崩のように降りて行く。

男は流れに身を任せ、改札口まで歩く。

皆改札で詰まるのを知っているのでどことなく早足になるが、男は最早それすら行う気力はない。


集団から遅れて改札口を出ると、そこにはいつも通りのギラギラとした酒臭い町があった。


男ははたから見れば、少し酔っているかのような足つきで、大通りを外れた裏通りを歩く。

裏通りは表通りとは違い、飯屋やコンビニなどはなく、風俗や居酒屋などが立ち並んでいる。

そんな道を歩いていると条例で禁止されている客引きの女や男に声をかけられるが、男は黙って通り抜ける。外国人が地図を持って何か喋っていたが、それでもなお黙って通り抜けた。


交差点に差し掛かった時、ふと男は大通りの方を見た。ひらけた場所にあるスクランブル交差点にはこんな時間だと言うのに、青信号を待つ人々がおり、いくばかの人がビルに付けられた大きな液晶テレビをぼんやりと眺めていた。内容はとある政治家が不透明な資金運用を行っていたと言うことだった。

そんな中大音量で音楽を流しながら一台の車が赤信号を通り抜けていった。

再び男は歩き出した。



裏通りを抜けるとそこには我が物顔のように広がる公園があった。

この公園を避けようとすると、裏通りから男の家まで行くのに三十分はかかる。入社したての頃ならそれで良かったが、今ではそこまでする体力は無く、自然と公園を横切るというのが日課になっていた。

道なりに進むとダンボールの塊が林の中に見えた。男は慣れたようで気にも止めずそのまま道を進んでいく。


するといつもは街灯が無く暗い花壇の近く。少し低い位置に明かりが見えた。

男は少し気味が悪いと思いながらも、道を変えるには少し疲れすぎており、そのままいつもの帰り道を進んで行く。

明かりに近づくと、そこには、天井からはランタンが一つかけられ、その横には『どれでも一つ百二十円』と手書きで書かれた看板がかけられた、人一人入るか入らないかぐらいの木製の小屋が建っていた。

男は少し気になり、横目でチラリと中を見ると、中は薄暗く、ただ一つ学校などでよく見るような木できた机がポツンと一つ置かれており、その上に笛、メガネ、杖など色々なものが置かれていた。

そしてその机の向こう側に一人の老婆がいた。

男はそれらを見た途端なぜか、なぜかこのメガネが欲しいと思った。

男は小屋に近づき老婆に


「メガネを一つくれ」


と言い財布から百二十円取り出すと机の上に置いた。

老婆は机の下を何やら漁ると、机の上のメガネと瓜二つのものを取り出した。

そして


「このメガネは子どもメガネ。このメガネはあなたを選んだ。きっと役にたつでしょう」


そう言うと、老婆はメガネを男に差し出す。

男は頭の中で首を傾げたが、取り敢えずメガネをかけて見た。

すると肩の重りが消え、体が軽くなった。



男の子は走り出す。

公園内には日が照だし、ほかの子どもも色々な遊具で遊んでいた。

林の奥では皆が追いかけっこをしており、走り回っている。

男の子は公園を出ると交差点を走り抜ける。車はしっかりと赤信号で止まり、通行人も信号の点滅時はしっかりと止まっていた。ビルに付けられたテレビでは子ども向けのアニメが流れていた。男の子は青になるのを確認すると、裏路地へ走り抜けて行く。

裏路地は住宅街になっており、顔見知りである、おばさんやおじさんはニコニコしながらてをふってくれる。

かべにはポスターがはってありおおきくひとのかおががかれていた。

みんなにてをふってえきへむかうと、そこにはママがいた。

ママとてをつないでキップをかって、でんしゃがくるのをきいろいせんのうちがわでまつ。まっていたらがいこくじんのひとにはなしかけられた!すこしこわかったけどままといっしょにみちをおしえてあげたんだ!

がいこくじんのひとは


「さんきゅー!」


ていってえきをでていった。

でんしゃがきたからせきにすわってちゃんとしずかにまつ。

きょうはどんなたのしいところにつれてってくれるのかな?

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― 新着の感想 ―
[良い点] 何回か読み返したんですけど、この人子供になっちゃったのかな?!ってのが私の中での結論になりました笑。間違ってたらすみません……! でも、途中で文体が平仮名ばかりになるとか、一番最初の『肩が…
[一言] 落ちでホラーだと思ったのですが、小説情報を確認したらほのぼのとあって、読み間違えたなあと残念な気持ちになりました(※こちらの落ち度なので責める意図はありません)。眼鏡を外したらどうなるのか、…
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