昔、食パンかじって登校したことが一度あります
プードルにはトイやティーカップ。ダックスにはミニチュアやカニンヘン。柴犬には豆 とミニサイズのわんこの名前って規則性なさすぎじゃない?
とりあえずコーギーもミニチュアいたらいいのに
「さて……この辺りだろうか」
学園長はどこからかリモコンを取り出し、渡り廊下に設置されている監視カメラの映像を過去へ巻き戻し始めた。
※※※※※
そこにはある日の公爵令嬢が渡り廊下を歩いている映像が映し出された。
そこに校舎の角から
「いっけなーい!遅刻遅刻ぅー!」
食パンを口に咥えたあんぱん令嬢が駆け寄ってきたのである。
飲み物もないし走りながら食べ進めることが出来るわけない食パン、これのせいで前が見えないあんぱん令嬢。
彼女は吸い込まれるようにかなりのスピードで公爵令嬢へと突き進む。
お嬢様で運動神経がそんなに発達していない公爵令嬢は避ける事も叶わない。
そしてそのまま二人は、衝突してしまったのであった。
どっしーん!
二人がぶつかった瞬間、あんぱん令嬢のポケットからポーンとネックレスが飛び出した。空を飛ぶネックレスは太陽の光に照らされて、キラキラと綺麗に輝いて…。
『わぅーーん!(なにこれひかってるー!)』
見事、コロネに空中キャッチされたのだった。
むちむちのわりには結構高めにジャンプできましたね。
無事にキャッチしたネックレスを、あうあうあうあうと声を上げながら噛みしだくコロネ。ネックレスから出汁でも出ているのでしょうか?
……おや?遠くからコロネを呼ぶ声が聞こえてきます。
「コロネー?餌の時間ですよ、どこですか?」
おや、鬼畜メガネが呼んでいたようです。
コロネは慌てて、
『わうわう♪わうわう♪(おったから おったから後でまた楽しむのー♪)』
手に入れたネックレスは穴掘って埋めました。
そしてそのまま忘れるのでしょう。
犬ですしね!
※※※※※
そんな映像見た会場の全員は、無言のままコロネを見つめるのでありました。
『わふっ!(やだ忘れてた!)』
ま、犬ですしね!
「犯人(?)はおまえかぁぁぁぁー!」
あんぱん令嬢よ、可愛いから許してあげてくださいな。