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転生者はワンコである  作者: 小籠包
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魅惑のむっっちりぼでぃに君は勝てるか?

かなり久しぶりに書きました。リハビリ作品です。内容がないようなので2、3話程で終わる予定。

悪役令嬢ざまぁシリーズ?に遅まきながらハマり書いてみました。

どこか中世ヨーロッパを彷彿とさせる魔法と剣の異世界、《アリコベール》

この世界のもっとも大きな国、《シュトーレン》

この国のもっとも大きな都市には世界最大で最高峰である《ショクパーン》学園がある。


貴賎を問わずに才能あふれる少年少女が集められた学び舎は、

今まさに社会へ羽ばたく若者を祝うために卒業パーティーが開かれていた。

若者たちは友人や恋人と美しく輝く思い出となるように、最後の学園生活を楽しんで……



「なんであんたがハーレムを作ってるのよ!!」


いなかった。

1人の令嬢のはしたない叫び声によって中断されてしまったのである。

そしてこの令嬢に指をさされ、糾弾されているのが……




『わ、わぅ〜?』



この学園の首席卒業生であるこの国の王子のお膝の上で惰眠をむさぼっていた、

我らが転生者、ワンコのコロネである。




「……口を慎め、アン=ブレッド男爵令嬢。コロちゃんが起きてしまったではないか」


俺様系王子はコロネの頭をなでなでしながら、令嬢をキツく睨みつけた。


「そうですよ、せっかく可愛い寝顔だったのにもったいない」


王子の横に控えていた、鬼畜メガネであり、この国の宰相の息子も令嬢をキツく睨みつけた。


「……王子……抱っこ……交代……」


王子の足元に跪き、ワンコの寝顔をガン見していた、無口癒し系であり、この国の騎士団団長の息子は令嬢を無視して王子をウルウル目で睨みつけた。


「ほんとほんと〜コロちゃん、ジャーキーあげるからお手〜」


王子の背後に控えていた、へらへらとチャラい系であり、この国の大商人の息子は令嬢を無視してジャーキーをフリフリ振り、手を差し出した。



『わふーーん♪』



コロネは差し出した手に、あんよではなく、あごをぽふっと乗せた。



「「「「やべぇ!なにこれ超可愛い!!」」」」


ジャーキーにつられて、お手ではなくあごをしたワンコを見て、男どもは顔を真っ赤にして鼻血を垂らすのであった。

カメラ、カメラを持って来なさいお前達。




「……っ!!だから!!なんで犬がハーレム作ってんのよぉぉぉーーー!!!」






※ ※ ※ ※ ※ ※


この世界は乙女ゲーム、《パンのぷりんすさまっ!》の世界である。

平凡なパン屋で働くヒロインが実は貴族の隠し子で魔法の才能があり、

王子達イケメンとともにキャッキャうふふな学園生活を送り、

キャッキャうふふなイベントをこなしてキャッキャうふふな展開に持ち込み、

意地悪なライバル悪役令嬢を懲らしめ、卒業アンドハッピーエンド、頑張ればハーレムエンドも迎えることができちゃう、そんなキャッキャうふふなゲーム世界だったのである。


でも今のこの世界は本来ならばヒロインである、あんぱん令……げふんげふん、アン=ブレッド男爵令嬢がいなければいけないその場所には


『もっきゅもっきゅ』


王子の膝の上でジャーキーを貪り食うワンコがいるのである。

周りにもちろん攻略キャラをはべらせて。

……なぜ、ヒロインが目の前にいるのに男どもがワンコに夢中になっているのかというと





『わうわぅ(だってアタクシ、魅惑のむっっちりぼでぃの持ち主ですもん)』


そう、残念ながら彼らはみんなコロネに魅了されてしまったのである。



コロネは現在生後半年のウェルシュコーギーの女の子。胴長短足の体は全体的にきつね色の毛皮で、お腹と靴下のようにあんよが真っ白。耳はピンと大きくキツネのように立っている。


そして誰もを魅了するのが……

尻尾がない為喜ぶとフリフリする、むっっちりとしたお尻!たるんでむっっちりした腹肉!綺麗なピンク色のむっっちりとした肉球!


誰しも「揉みしだきたい!!」と叫ぶほどの魅惑のむっっちりぼでぃの持ち主なのである。


ペットショップで30代独身隠れ攻略キャラである学園長に一目惚れされてお持ち帰りされたコロネは、彼の持ち物である学園を自由気ままにお散歩し、学生達を魅惑のむっっちりぼでぃの力で落としていったのであった。


そして現在、学園の中で一番高級で美味しいおやつをくれる王子のお膝の上が一番のお気に入り場所となっているのである。



「きぃぃーー!!なんでよ!なんでなのよ!私がヒロイン!ヒロインなのに!なにもイベントが起きないまま卒業なんて許せない!」


ハンカチを噛んで引っ張るという古めかしい動作をしているあんぱん令嬢、彼女もまた転生者なのであろう。

前世の乙女ゲームの記憶を持って、キャッキャうふふをしたかったのだろうが、彼女よりも魅力的な存在がいたためにその夢は儚く潰えてしまったのだ。



「アン様、先程から訳のわからないことを大きな声で……貴族の令嬢としてはしたないですわよ」


パーティー会場に悲痛な叫び声を響渡せるあんぱん令嬢をたしなめに来たのは、王子の婚約者でもあるロゼッタ=パネトーネ公爵令嬢であった。


「ろ、ロゼッタ様!あ、貴女も貴女よ!なんで私をいじめないのよ!」


そう彼女は乙女ゲームの世界では、嫉妬してヒロインをいじめて最後に断罪されるはずの悪役令嬢。

でもこの世界の彼女は悪役ではない。なぜならヒロインには嫉妬していないから。


「……アン様、わたくしそのような趣味はございませんの」


いじめる理由もないのに、そんな性癖をお持ちの人扱いをされるのはごめんである公爵令嬢は、あんぱん令嬢を冷たい目で見るのであった。





「ところでブリオッシュ王子、皆に示しがつきませんわ。いい加減にしなさいませ」


「……なんだ、ロゼッタ。我が婚約者であるお前が嫉妬か?」


「……ええ、嫉妬しておりますわ。

そう……わたくし、もう耐えられないのですわ……」


「な、何にだ?」


ロゼッタ公爵令嬢のただならぬ雰囲気に、流石の王子もたじろいでしまう。

新たな修羅場の誕生か?と周囲に緊張が走る。


「言葉にしないとわからないのですね……はぁ、仕方ありませんわ。ブリオッシュ王子?一度しかいいませんわよ?」


「お、おう」







「ずっとコロちゃんを抱っこしているのがずるいですわ!!

わたくしにも抱っこさせてくださいませぇぇぇーー!!」


「「「「おまえもか!!」」」」


そう、彼女もまた不幸にも魅惑のむっっちりぼでぃに魅せられた被害者なのであった。




『わうーん♪(えへへー)』



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― 新着の感想 ―
[一言] そりゃあ王子が魅惑のむっっちりわんこ溺愛してるからって犬嫌いてもなければそうなるよね……(笑
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