瞬間移動
痛い。
ビンタをされて痛い、いや唐突にこんな言葉から初めても何のことかわからないであろうから説明するが――ただクラスの可愛い女子に『パンツの色何色?黒?白?それとも縞?』と聞いただけでこのザマだ。
そして今、この心の中で呟いているのだろうと思われる発言をボソボソ口に出して言っているので私の友達A君からは「お、おい何言ってるんだよ…」と引かれる始末である。
「そりゃ引くわ!」
『何だ、私の心の呟きティータイムという重要な時間に入ってくるな。新井。』
「ティータイムどこだよ!」
『「考えるな、感じろ。」とどこかの偉い人が言ってた気がする。』
「いや、俺のしてる質問はだな―――」
とこの様に新井フルネームだと新井秀人は面倒臭い、非常に臭うヤツである。
「その今やってるティータイムのことだよ!」
『煩いぞ、新井さすがに俺の沸点も沸騰するぞ?』
「沸点は沸騰しねぇよ…。」
『ところで話は変わるが新井。』
「何だ?」
『俺の参加している能力者発現計画のことは知っているな?』
「あ?信じちゃいねーけど…超能力に近い能力を発現させるってヤツだろ?いい加減、中二病も治せよ?」
『ふむ、その全てを中二病にしたがる性格はどうしたものかと思うが――とにかくやっと能力が発現したらしいのだ。』
「へぇーそりゃよかったね。」
『で、だ。新井お前には実験台になってもらおうかと思ってな。』
「実験台?」
『あぁ、そうだ。まだ何の能力かも判明していないのだが――』
「いいよ、面白そうだ。」
『それじゃあ…。』
私は拳にぐっと力を込めた。
「お、おい…」
『どらぁっ!』
「おぶぅっ!」
新井はその場に崩れ落ちた。
『ふむ、どうやら殴っても普通のようだな。』
「いや…いきなり殴るってお前…。」
『仕方ないだろう。能力事態がわから―――』
「「「「「「ウガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア」」」」」」
「な、なんだ!?」
『これは―――』
見るからにクラスにいた生徒、私と新井以外が怪物と化していた。
『私の能力か?』
「知らねーよ!」
『ま、なら私は悪くないということにしておこうか。』
「と、とにかく逃げるぞ!」
『いやしかし私の能力なのだとしたらじっくりとこの目に焼き付けておきたいという願望がだな――』
「んなもんどーでもいいだろーが!死にてーのか!」
『ふむ、それもそうだなでは逃げるとしよう。』
校門――――
「はぁっ…はぁっ…ここまでくれば大丈夫だろ…。」
『いや、そういうわけではないようだぞ?新井。』
「へ?」
「「「「「「ウガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア」」」」」」
「は、ははは…逃げるぞ!」
『新井、ここまで逃げてこれなのだからいくら逃げても地球の裏側に逃げても無駄だと思うぞ。』
「地球の裏側はねーよ…。」
『私の能力を確かめる必要もあるのだ。ここで戦ったほうがよいとは思わんか?』
「それは…。」
戸惑った。
何せ自分の能力が何かわからないコイツが自分の能力を確かめるついでにこの怪物を倒すというのだ、戸惑うに決まってる。
『殴るタイプの技では無いということは―――』
目の前から一瞬にして消えた、一瞬何が起こったのかまったくわからなかったが怪物たちの方を見るとソイツは怪物たちの頭上にいた。
『瞬間移動か。ならば―――』
また一瞬にしてソイツはいなくなった。
『こうして怪物の腹から産卵されることも可能というわけか。』
ソイツはそう言いながら怪物の腹から出てきた、怪物の腹を引きちぎって。
『ふむ、中々面白い能力だ、この私、多摩陽太には相応しい能力だ。ほめてつかわす。』