Kiss the girl!01 ※BL有
本編終わって半年後ぐらいです。
君の心を
あの子は待ってる
あの子のルージュは
君のものだから
kiss the girl!01
アルバムも無事成功し、それから出したシングルも順調な売れ行きだった。
安心するのもつかの間スタジオでは次シングルを出そうとミーティングが行われていた。
「次は化粧品のCMで使いたいらしいんだ。」
雅が次のシングルの趣旨を説明する。
それを聞いていた夏流が指摘する。
「ちょっと待ってよ、僕たちライブでは使うけど普段化粧品なんか使わないよ?どうするのさ。」
「だからね、要望はただ一つだけ。『甘酸っぱい恋心』」
クスリと笑いながら雅が説明をする。それにメンバーが同一の意見を出す。
「じゃあ、夏流だな。」
「だね。」
「よろしく!」
皆の意見に夏流は反論する。
「ちょっと待ってよ、僕書いてもいいよ?けど、甘酸っぱいって言うんだったら…今新婚ほやほやの香南の方がいいんじゃない?」
「・・俺?」
香南が頭の中ではてなを出す。
「だって甘酸っぱいんだよ?香南そのまんまじゃん!」
「何言ってんだよ」
顔を赤く染めながら香南が反論する。
「そうだねえ。そう考えたら香南くんが書いた方がいいかもしれないねえ。」
「香南にしようぜ。それか二人共同でも良い。」
「…わかった。」
しぶしぶ香南が頷く。
「まー甘酸っぱいと言えば、初めてのキス、だよね」
周が目を輝かせながら言う。
夏流は顔を真っ赤にさせ周の方を向く。
「何言ってんだよ!恥ずかしくて書けるわけないだろ!!」
「ふーん、そんなによかったの?」
「ばっバカ!!!」
「おいおい、二人とも落ち着け。…って香南どうしたんだよ。」
香南の方を向くととても沈んでいた。
「・・・」
「香南…?」
「大丈夫かい?」
最近香南は体調を崩すことはなくなったが、考え込むことが多々あった。
何を聞いても別にとしか答えてくれず、そのままとなっていたが、何か関係しているのだろうかと夏流は香南に尋ねた。
「香南、何かあったの?ななちゃんと喧嘩した?」
「いや、その、」
再び考え込むようになり下にうつむく。
「キス、してない。」
「「「「…は?」」」」
皆が呆然としているのがさらに恥ずかしいのかこちらを睨みつけるように見る。
「…してねえんだよ。俺ら。」
「ほっほんとにいいい!?」
夏流はびっくりしすぎて叫ぶ。
「なるほどねえ。」
「まあ七海は自然培養っぽいからなあ。手出しすんの難しいだろうな。」
「そう言ういい方はやめろ。」
夏流が真っ赤になってるのをみて燎はにやりとする。
「香南お前、それで悩んでたんだろ?」
「!?」
香南は驚くように燎の方を向く。
確信めいたようにさらに笑みを深める。
「男だもんな~。わからなくもない。そうか。お前も、そんな年だもんな。」
「うっせえぞ!!!燎!!!」
顔を真っ赤にしながら叫ぶ香南は怖くもなんともなかった。
「うーん、よし、じゃあ僕曲作る!」
「・・・え?」
香南が驚くように夏流の方を向く。
「とっておきの甘酸っぱいソング作るから、香南絶対歌ってよ?」
にっこりと笑顔を向けられるとやな予感しかしない香南だった。
「ええええええ!?キスもしてないの!?」
七海の家に琴乃が遊びに来ていた。
七海は恥ずかしがりながらコクリと頷く。
「香南さん、私の事好きじゃないのかなあ…?」
「いやあ、それは100%ないと思うけど…」
「じゃあなんでしてくれないんだろう?」
「うーん、それはやっぱ二人っきりの時間がないとか要は雰囲気作り?」
琴乃がアドバイスをくれる様子に七海は姿勢を正す。
「はい。」
「こうなんっていうのかな~…貴重な二人っきりの時間に上目使いをするとか。」
「上目使い?」
「そう。」
七海は不思議に思いながら様々なキスレクチャーをしてもらう。
それから二人の時間ができることがなかなかなかった。
香南がシングル作りに本格的に取り組み始めたことが一つの原因だった。
香南が帰ってきても双子がいて、双子も香南に会いたがっているためずっと一緒にいる。
これではなかなか時間が取れなかった。
しかし七海にはこれが好都合だと思っていた。
なぜなら香南の前で上目使いがとても大変なことに気付いたのだ。
二人でご飯の食器を片づけていても意識をしすぎてかやけによそよそしくなってしまう。
とてつもない恥ずかしさを感じるのだった。
香南も香南でそのよそよそしさに気づいていた。
そして作っている曲が曲なため素直に七海の方を向けずよそよそしくなってしまう。
事態は思わぬマイナス方向へ向かっているのだった。
続きます(笑