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そうだ、カラオケへ行こう!

七海たち22歳、香南、27歳、双子ちゃんたち10歳の話


「ななちゃん、あのね、カラオケ行きたい、です、」


皆で晩ご飯を食べている最中突然申し出たのは瑠唯だった。




「どうしたの?突然。」

今日の夕食ジャガイモコロッケを二つに割りながら七海が尋ねる。

「なんかね、やっくんがね、家族でカラオケに行ったんだってー。んでじまんしてきたらしいんだ。」

隣から美羽が口を出す。

やっくんとは瑠唯のクラスメイトで人気の男の子だった。

瑠唯に何を嫉妬しているのかいつも自慢ばかりしてくる子だった。

自分のことで自慢し来るならいざ知らず、家族の事を出して自慢してくることに対し、瑠唯はとてつもないショックを受けた。

放課後には美羽にまで相談するほどだった。

「そっか…」

「瑠唯は、行きたいのか?」

悩んでいる様子だった七海の横から香南が口を出す。

その言葉に瑠唯はコクリと頷く。

「行き、たい。けど…」

時計を見ると7時だった。

「七海、2時間だけ、行ってくるか。」

「良いんですか?」

9時からは再びスタジオ入りだったはずだ。

カラオケなんか行ってしまうとのどの調子に支障が出てしまうかもしれない。

七海が心配そうに尋ねると香南は笑う。

「大丈夫。よし、ちゃんと噛んでけど早くご飯終わらせるぞ。」

双子ははーい!と嬉しそうに言うと頑張って茶碗をからにし始めた。







「4人。2時間で。」

「はっ・・・はいっ・・!!!」

突然に美声に驚いた店員だったがすぐさま席を用意してくれた。

部屋の中へ入るとタバコ臭いのは残念だったがとてもきれいだった。

しかし、来たものの、何をどうしたらいいのか分からず七海と双子は立ち往生したままだった。

「ここ、座って。この機械で歌いたい曲を検索するんだ。」

ぴこぴこと操作する香南を七海たちはじっと見る。

ぴぴぴっというと画面に『13番目の祈り』と表示されその前奏が流れてくる。

「すっ凄いです!!」

尊敬のまなざしで七海は香南を見ていると双子にマイクを渡す。

「お前ら、歌え。」

「これで?」

「ああ。このボタンを押すんだ。」

「あー」

瑠唯が声を出すとマイク越しに声が聞こえてきた。

「すごーい!」

「ななちゃん、これ、マイク!」

「凄いねえ!!ほら!!二人とも始まったよ!」

そして曲を歌って行く。初めてマイク越しに歌うと言うこともありとても緊張しながら歌っているのがわかった。

曲を聞いていると横から機会を渡される。

「次、七海。」

「えっ私ですか?!」

「七海の、聞きたい。」

必殺笑顔でおねだりに勝てるはずもなくうううと照れながら検索を開始する。

そういえばと香南の方を見る。

「香南さん、カラオケに来たことがあるんですか?」

香南は一瞬キョトンとするがあーと説明する。

「メンバーとな。突然なつが自分たちの曲をカラオケで100点取りたいって言い始めて無理矢理行かされた。」

「結局取れたんですか…?」

「いいや。俺もあんまりやる気なかったし、皆歌えるような声域じゃなかったから結局俺の92点で終わり。」

「そうなんですか。」

その顔はとても残念そうだった。しかし顔をあげるととてもキラキラ目をしていた。

「香南さん!今日は100点目指してみましょう!」

よし、と張り切って検索をする。

双子の『13番目の祈り』の後香南に採点画面に早速七海が歌い始まる。





「日向七海、歌いますっ!」

歌い始めた曲は『white kiss』だった。

しかし、

「ごっごじゅう、いってん・・・?!」

何せ七海は下手だった。

後ろで男性陣が微笑ましく見ていた。

ショックを受けているところに『Meine liebe』の前奏が流れてきた。

「日向、香南、歌います。」

圧倒的歌唱力に一同呆然。本人が歌っているのだから当たり前だが…

点数は、98点。その点数に香南が眉をひそめる。

「この機械、壊れてんじゃねえのか…?」

香南がイライラし始めた横で双子が喧嘩をしていた。

「次俺が歌う!!」

「ぼっ僕!!」

「こらっ二人ともじゃんけん!」

「「はーい」」

じゃんけんで次は瑠唯の番になった。

選んだ曲は『backbone,in the earth』

瑠唯は七海と違ってとても歌がうまかった。

点数は80点。小学生ながらにいい点数だった。

「瑠唯はうまいな。」

曲が終わった瑠唯の頭を撫でる。

「あ、ありがとう」

瑠唯は照れながらも撫でてもらった頭を撫でていた。

「じゃ次俺ね!」

そして『angel wings』を歌い始める。

聞きながらも話を続ける。

「瑠唯は一番歌覚えるの早いんです。羨ましいです。このまま歌手になりたいって言ったらどうしようかと思うぐらいですよ。」

ハハと七海が笑うと香南はなんとも言えない顔をしていた。

「俺としては賛成できないけどな。」

「?駄目、ですか?」

「いや、あの職業になることが反対なんだ。もっと、瑠唯ならいいものになれるよ。」

「は…い。」

「まあその前に瑠唯はなりたいって思わないと思うけどな。」

微笑みながら美羽の方へ向く。七海も美羽の曲を聞く。

美羽は七海よりでどちらかと言うと下手だった。

しかし子供パワーなのか高い声も出せフォローのしようがあった。

点数は70点

「ななちゃんに勝った!やった!」

嬉しそうにこちらに向かってくる。

「負けちゃった~。くっそー、今度は十八番歌っちゃう!」

そして皆次々と入れていくが100点を取れなかった。





残り10分ほどになった頃、香南が最後にと曲を入れる。

全員かなり体力を消耗していた。

「ぜーはーぜーはー…これに…全てを…かける。」

「香南さん!!!」

「「にいちゃん!!」」

3人の全身から出る期待にこたえるよう香南は立ちあがった。

流れ始めた曲は『幻-seventh ocean-』

なるべく間違えないように、ライブではなくCD制作時を思い出して歌う。

ゆっくり、やさしく。

歌い終えた後にはライブ一本終わった後ほどの疲れがどっと沸いてきた。

そして点数は・・・








「やった・・・」

「「「やったー!!!!」」」

100点満点だった。

4人は大喜び、はしゃぐだけはしゃぎ疲れ果てた体でカラオケを出る。

そして家に雅が迎えに来たのを見てそう言えばこの後仕事だったと思いだす香南だった。

カラオケへ行く話でした。

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