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ワールドワイドウェブ!

琴乃と久しぶりのお茶会。日向家でいつものようにお茶を飲んでいた。

「ねー七海もつぶやいたーしようよ!」

「な、なにそれ?」

「知らないの?今流行ってるじゃん。こうやってね…」

琴乃が見せたのは自らの携帯。開き一つのアプリを起動させる。

最近スマートフォンが流行りだし七海も先日香南とおそろいのを買いに行ったところだった。

その話をしているところにこの話題が出たのである。

「区切りがあるでしょ?ちょーっと何か一言つぶやきたいときにここにコメントを記入するとほら、コメントが載るの。」

「すごい!」

七海は思わず感動して拍手をする。琴乃もどこかしら誇らしげである。

「ちなみにね、ほらみて。」

画面をタッチしどこかのページへ飛んだのか琴乃が先ほどのページと異なる場所を見せた。

「ん?」

IDの部分にTakumi-Ikegamiと記されてあった。

「これが池上巧の一言の履歴のページ。」

「なるほど…」

下に行けばいくほどanfangのことに関する一言でいっぱいであった。

「巧さんもしてたんですね。」

「ねー。私も面白くて思わずフォローしちゃった。」

他にもモデルやらスポーツ選手やらたくさんの有名人もしていた。

「anfangはしないの?」

「どうなんだろう?私は何も聞いたことが無いから…携帯も双子が触ってみたいって言うから変えただけだし」

ここ最近携帯は双子のおもちゃになっていた。

香南もまんざらでもない様子で一緒に触っているのを七海は何度か目撃していたがそのような話は一切出ていた無かった。

「まあ、七海が気に入ったら誘ってみなよ。」

「うんそうする」







夕方になり双子たちが帰ってきた。

双子たちが見たのは真剣に携帯を見ている七海だった。

「ただいまー。ななちゃんなにやってんの?」

「え?」

「おなべ、ふきこぼれそう…」

「へっ?!ああっ!!」

急いで鍋の元へ向かうが残念ながら溢れ返った後であった。

双子が携帯のそばまで近寄り画面を見る。

「なにやってたのー?ん?つぶやいたー?」

「そうそう。知ってる?」

「もし、かして…レオンが、言ってたのって」

「へ?レオン知ってるの」

七海が驚いて双子を見やる。すると双子はうなずきパソコンを開く。

「ほらみて。」

そこには英語でつぶやいたーがドイツで流行っていること、そしてもしよければ美羽と瑠唯もしないかという提案が書かれていた。

「これって俺たちも作れるのか?」

「うーん多分IDというものを作ったらできるんじゃないかしら。」

「美羽と、僕は二人でひとつ、つくる?」

「だな。なーななちゃん俺たちにも作って~」

こうしてあれよあれよというままに七海、と双子のIDが出来上がったのであった。








そうなると香南に話が行くのも早い。

「つぶやいたー…?」

「はいっ!みてくださいこれ。早速巧さんをリンクしてみましたよ。」

説明をしながら巧みの呟きを見せる。香南にとっては心底どうでもいい内容で、ただ七海がとても楽しそうにしていることが重要だった。

「リンクして返信したんです。これからも頑張ってくださいって。そしたらID見たんですかね?返事が返ってきたんです。」

しかしその楽しそうなことの内容も違う男から得られたもの。香南は眉をひそめた。

「…俺もする。」

「へ?」

「つぶやいたー俺もする。どうやってするんだ?」

もちろんこれはanfang全体に広まることになる。

いつもに増して嬉しそうに携帯を見つめている香南。

最初はニコニコ見ていた雅もその内容にあせりを見せる。

「えっ香南、君つぶやいたー始めたの?」

「ああ。七海がやるって言うから。」

その言葉にため息をつく。

「つぶやいたーで香南らしき人がつぶやいてるって噂流れ始めたって聞いたけど本当にしていたなんて…」

雅が香南のページを見せてもらうとリンクされている数が1000人を超えていた。

「香南、双子ちゃんと七海ちゃんにもう一度アカウント作ってもらって。」

突然の要望に香南は眉をひそめる。

「は?何言ってんだよ。」

その緊迫した空気に気づいたのかメンバーが二人のほうを見てくる。

「これanfangの香南って気づかれてる可能性が高いよ。下手したら七海ちゃんと双子ちゃんに迷惑がかかる。その前に一度3つのアカウント消してもらってその後もう一度アカウント作り直してもらおう。」

「は?」

「お前、IDに自分の名前付けるってわかりやすすぎるんだ!!!もっとわかりにくいものにしろ!」

雅に散々説得されしぶしぶと双子と七海に連絡をする香南。そんな香南をニヤニヤ見つめる人たちが3名。

「えー香南つぶやいたー始めたんだ。一番最初に始めるなんて意外~」

「そんなにおもしれえのか?」

「新しいネットのあり方ではあるよね。」

にっこりと三人は雅を見つめる。

雅はため息しか出なかった。








こうしてanfangは公式のつぶやいたーIDを取得した。

それにはメンバー四人がたまに呟きを記入することがありファンにはたまらないサービスとなる。

琴乃や巧もまさか自分たちがことの発端だと知らず嬉々としてリンクするのであった。











池上巧は疲れた体に鞭を打ちようやく自宅へたどり着くことができた。

はあ、とため息をつきながらソファへ座る。

そしてふと思い出したかのようにつぶやいたーを開く。

先日から突然開始されたanfang公式つぶやいたー。それを見るのがたくみの今の何よりの楽しみであった。

その前に散々マネージャーから言われているファンからの返信を読むことにする。

増えた返信を流し読みする。すると思いがけないアカウントからの返信があった。

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Anfang_Official つぶやいたー始めました。なう Kanan

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これは、しかしまさか…

「ぴぎゃああああああああ!!!!」

池上巧は真顔ですぐさまお気に入り登録をした。

私がツイッターを始めた記念に(笑

clarityキャラのネタなどをつぶやいております。

もしよければご覧ください!

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