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極上のキュンをあなたに 1

好きや愛してるなんて






そんなものじゃ言い足りない






君に捧げたい気持ちは






こんなにも大きいのだから








clarity love 番外編









『ってゆ~かあ~やっぱりある程度サプライズって必要だよね~』

『そうそう!同じ事ばかりやられてもだんだん飽きてくるし~やっぱり今時キュンってできるものがないと恋愛とか続かないよね~』

『わかるわかる~!!』








例の男の日だったとある土曜日。

6年にもなりある程度大きくなった双子が宿題をしているのを横目に香南はテレビを見ていた。

「きゅん?なんだそれ」

若者の恋愛事情と題したテレビ番組を見ながら思わず香南はつぶやいてしまった。

「しらねー。あ、けどこの間もらったラブレターに書いてあったかも」

美羽が休憩と言うようにジュースを片手に香南に答えた。

「美羽、またラブレターもらったのか?!」

「うん。けどちゃんと丁寧に断ったんだぞ。」

「美羽、『お前の気持ちにはこたえられねえ。わるい』ってちゃんと、言ってたよ。」

「そ、そうか。断ったんだったらいいんだ。」

孫のように、大事に大事に育てた双子に変な虫がつかないか気が気ではない香南。

何もなかったことにホッとすると先ほどの気になった言葉について聞いてみる。

「それでそのキュンってのはどんなのに使われてたんだ?」

「んー、確か『美羽くんの笑顔を見るたびにキュンってします』とかなんとか。」

「…それがキュンなのか?」

「も、もしかしたら、好きな気持ちを表す時に、使うのかも。僕も、美羽の笑顔見るの、その、好きだから…」

「なるほど、好きな気持ちか…」

最近七海と二人でデートをしたり、全くしていなかった香南にとって少々気になる節ではあった。

七海は今も好きでいてくれているのだろうか。

その、キュンとやらを自分に感じてくれているのだろうか。

テレビを見るとまだキュンの話題は終わっていなかった。





『キュンとは具体的にどういう時に使いますか?』

『えっとお~漫画とかでよくでるじゃん?イケメンが自分をかばってくれたりするとか。ああいう時キュンって感じがする~』

『とかとか、あと普通に耳元で好きって言われてもキュンってする~!』

『やっぱ女の理想がキュンに詰まってるよね~』











ますますわからない香南は眉をひそめる。

しかし一つヒントがあった。それは漫画によく出てくるということだ。

香南は早速先日七海が琴乃に借りて来たという少女マンガを読むことにした。

双子は再び宿題に集中し、終わった頃になるとソファで真剣に漫画を読んでいる香南を見る。

その眼はさらに混乱を表していた。

3人で作っていたカレーを双子がよそいテーブルに並べていると香南は悪いと謝りながら寄ってきた。

「…にーちゃん大丈夫か?」

「ああ。…まあつまりこれは、自分が思ってもみなかった嬉しいことを相手がしてくれた時に感じるものなのかもしれねえな…」

「ふーん…」

食べながら香南がふと双子に質問をする。

「お前らがこのキュンって思うようなことはどんなことだ?」

「へ?」

「ぼく、たち?」

「…と言うよりもななに…」

「「うーん…」」

男の双子に聞いても参考になるかはわからないが、それでも七海に近い人物の意見が聞きたかった。

「ななちゃんはやっぱあれじゃね?ネズミー行けば割ときゅんとしてくれそう。」

「けれど、自分が思ってもみなかった嬉しいこと、だよね?ネズミーは、いつも行くし…」

「じゃあネズミーにサプライズで会わせてあげて…って昔それやってもらった気がする…」

「「うーん…」」

男と女の壁はこれほどまでに大きいのかと改めて思わされる。

三人は悩みながらひたすらカレーを食べた。










「で、僕たち召集な訳?」

「ああ。お前らも考えてくれないか?」

休日の昼下がり久々にゆっくりしていたところに突然の電話。

それは日向家からであった。

一日のオフだったためみな家でのんびりくつろいでいたところへの電話だったのだ。

「ま、双子に会えたから別にいいけどよ。」

「そのキュンって、やっぱり俺達には考えにくいものなんじゃないのかな?」

「そこを何とかしてもらおうと思って呼んだんだよ。」

「ななちゃんにいっぱいキュンってしてもらおーと思って!」

「そしたら、にーちゃんと、ななちゃん、ずっと好きどうし、でしょ?」

双子の言葉に香南が顔を真っ赤にする。

日向家の行動にメンバーは嬉しそうにため息をつく。

「まあ、七海には久々に乙女に戻ってほしいもんな。」

「ずっと家事育児でお母さんやらせてるしねえ…」

「よっし多少乙女心を持ってる僕もいるし、みんなで考えてみよっか!」







それからキュンの教科書である少女マンガを手にし男6人が一生懸命キュンプランを考えた。

それは七海が帰ってくるほんの少し前まで行われていた。

実行日は一か月後。男の日を返上して行われることとなった。





七海にキュンを感じてもらい乙女に戻ってもらう!





6人は一致団結し一か月後の実行日を待った。

クララブシリーズを書くときはいつもイメージバンドの曲を聴いてるのですが、今回ばかりはとあるラブソングを聞いて。




6人が頑張ってます!

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