マシュマロ ※BL
キスしますので大分BLです。気をつけてください。
ふわふわ
ふわふわ
マシュマロみたいに
僕の気持ちは浮いている。
clarity love マシュマロ
周と同じ学校に通うことができ早半年、僕は周のモテっぷりをことごとく見せられる。
「周~今度遊ぼうよ。」
「え~由香と遊ぶって言ったじゃん。」
「ねえ、いいでしょ~」
辞書を返しに周のクラスへ行くと周の周りには女の子達が傍にいた。
胸がずきずきする。痛い。
少しだけ胸を抑えていると周が気付いたのかこちらに向かってくる。
すると胸の痛さは消えた。
「どうしたんだい?」
素敵な笑顔で答えてくれる。それに真っ赤になると今日来た目的を果たすために辞書を差し出す。
「はいっ、辞書、ありがとう」
差し出した時の手にさりげなく触れる周。
思わず辞書を落としてしまうそうになった。
周がわかっていたかのように辞書を掴むとクスリと笑う。
「こちらこそ、もってきてくれてありがとう」
その声に心臓の奥底がきゅっとなる。
そしてさらに顔が真っ赤になるのがわかった。
そうこの気持ちを僕は知っている。
何度も何度も経験しているのだから。
けれども言ってはいけない。
だって周はこんな僕を絶対好きじゃないと思う。
こんな醜い僕を見せたくない。
数日後の放課後、周が掃除当番と言うから帰りを待っていた。
それなのに、20分、30分しても迎えに来ない。
最近一緒にいるようになった香南も流石に眉をひそめ「遅いな」と呟く。
少しだけなら様子を見に行ってもいいよね?―
「僕、ちょっと見てくる。」
「あ、おい」
気づけば足は周の教室へ向かっていた。
夕日が沈む中ついた教室内には周がいた。
そしてもう一人、女の子が向かい合っていた。
その表情はいつもぼくには見せない表情で、
いつの間にか胸がずきずきと痛くなって、
涙が出たと思ったら
「だめだっ!!!!」
周のもとへ駆け出していた。
女の子も不思議そうな顔をしてこちらを向いている。
周も少し驚いた様子だった。
慌てて自分がしたことに気付き顔を真っ赤にする。
「ご、ごめんなさい」
周の手を引っ張ると教室から出て行った。
「はあ、はあ」
息切れが激しい。
どこでもいい、あの場所から離れたくて誰も使わないような史料室へ来ていた。
「ご、ごめん。僕、」
汗をぬぐいながら謝まる。周からの声はしない。
嫌われちゃった…?
思わず涙があふれ出す。
周はそんな僕の頭を撫でる。
「君は、どうしてそんなことしたのかな?夏流。」
その声は怒ってもおらずかといって嬉しそうでもなかった。
「ぼ、僕、駄目なんだ。」
涙を必死にふきながら言う。
「周が誰か女の子と話してると、僕のことは良いのかなって。胸が痛くて。痛くて。苦しくて。」
涙は止まらなくて、最初よりももっと大きな粒が流れ出る。
「ごめんっ、けど僕…」
続けようとしたが続けられなかった。
周の唇が僕の唇と重なっていたから。
苦しくて、必死にはがそうとするとさらに周は力を込め離れられなくなった。
ようやく唇が離れると涙は止まったが、息をするのでいっぱいいっぱいの状態になった。
「はあっはあ、あま、ね?」
不思議そうな顔をすると、周の唇はにやりと口端をあげていた。
「それは嫉妬かな?」
その声はいつもより低くて、けれど心にずしんと来る低さで顔が真っ赤になってしまった。
「ふふっ可愛い。思わず、食べちゃいたいくらい。」
周が舌なめずりをする。
ドクリ
心臓の音が突然大きくなった。
僕の気持ちはふわふわしててマシュマロみたいで
けれど一つだけ
君への想いは変わらない。
この話の中で一番かわいそうなのは香南です。(笑
昨日とある漫画を読んでいて書きたくなりました(笑