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そうだ、車を買いに行こう! 前編

双子がまだ小学校低学年の時です。

Are you ready?







時は走り出すのを止めない







駆け出すのは






今だと頷いて








clarity love そうだ、車を買いに行こう! 前編










「あのっネズミーに行きませんかっ!」

真っ赤な顔をして提案してくる七海に日向家男性陣は注目した。

「もうすぐ双子が夏休みに入るので、その、」

「ななちゃ、ショー見たいんでしょ?」

「きゃらくたーぐっず、も!!!」

そう、夏休みに入ってしまうと家族連れが多くなる。

するとお土産を買いに行こうと思ってもなかなかお店に入ることは不可能だ。

ましてや香南がいる。人が増えるとわかっていながら夏に行くことはかなり困難を極めていた。

「うっ、はい、その…」

おねがいします!という様に目を潤めながら七海は香南の方を向く。

もともと駄目ともいう気もなかったがこの顔に香南は大層弱い。

「行こう、」

その後の3人の笑顔。

香南が一番大好きな表情だった。







「と言うわけで雅さん、車貸してくれ。」

ネズミーランドへ行くには電車に乗るか車に乗るかの二択しかない。

人ごみの苦手な香南にとっては車に乗るの一択しかなくなるのだった。

いつものように雅に車を貸してもらおうとするが雅は少し困惑した表情だった。

「うーん、香南、君車買った方が良いんじゃない?」

「え?」

「今は良いんだけどこれからずっと借りるんだろう?それだったらいつでも行けるように買っておいた方が便利なんじゃないか?いつ突然行きたいと言うかわからないし」

香南はしばらく目を見開いていたが、そうか、と呟くとパソコンを開き始める。

「なになに??どうしたの?」

休憩から帰ってきたメンバーたちがパソコンを見る。

「車?なに、香南車買うのか?」

「へえ、車、ねえ…」

3人を無視し香南は雅の方を向く。

「どこのが良いか、教えてくれないか?」

車のことは全く知らない香南は車好きな雅にご教授願うこととなった。








次に夜ご飯をゆっくり食べられる日に香南はたくさんのパンフレットを持ち帰った。

「えっと、なんですか、これ?」

ご飯を準備している最中置かれたものに七海は注目した。

「車のパンフレット。車買う。」

「…え?」

突然車を買うと言われ驚かない者などいない。

「くっ車ですか…!?」

「ああ。雅さんに言われた。交通手段が車ならば買っといて損はないだろうと。流石にずっと借りるわけにはいかねえし」

「そ、そうですが…」

そんな高いものを買ったことのない七海にとっては清水の舞台から飛び降りるぐらいの勇気が必要なのにもかかわらず香南は平然と言ってのける。

「なな、心配するな。今日明日買うわけじゃねえし今から少しずつ決めればいい。良いものを見つけた時に買おう。」

「は、はい。」

頭をなでられながら説得される。

これからずっと使っていくのだ。慎重に決めていきたい。

「で、車庫なんだけど、この家のを使っても良いか?駄目なら他のところのを借りるが…」

「あ、」

車を保有するにはその車を駐車する場所がなければならない。

七海の家の車庫には二台分置けるスペースがある。

今まで車庫は何もなかったが、ない理由があるのではと思っていたのだ。

「えっと、あの車庫には車があったんですけど、2台とも売っちゃいまして…だから置いても大丈夫です!!!」

実は七海の家には2台車があったが、両親が死に、誰も運転する人がいなくなり、保険だけかかるため売ってしまったのであった。

「私車のことは何も知りませんし、香南さんが乗りやすいものをぜひ買ってください。」

「…前乗っていたものと同じものを買っても良いんだぞ?」

七海は一瞬目を揺らがせるが、首を振った。

「大丈夫です。いつまでも思い出に浸ってはいけませんし。香南さんが好きなものを買ってください。私はそれに乗りたいです!」

笑顔でそう言う七海に香南は頷くしかなかった。







「わー!」

「くるまいっぱい・・・!!」

ご飯を食べた後双子たちにパンフレットを見せるとそれはとても嬉しそうな顔で車を見ていた。

「お前らどんなのが良い?」

「くるまかうの?」

「ほんと!?」

双子たちは後ろの方で他のパンフレットを覗いている七海に尋ねる。

「ええ。皆で一緒に選ぼうね」

「くるま!!!」

「わーい!」

双子たちが嬉しそうに選ぶ。

「にーちゃ、これどう?」

「これ二人しか乗れねえぞ」

「こっこれっ!!」

「これもなあ…ってお前らスポーツカー好きだな。」

やはり男の子はスポーツカーに目が行くのだろう。

確かにかっこいいのだから仕方がない。

しかし七海は車よりもその下に写っている値段を気にしてしまう。




うっ流石車…

侮れない値段だわ…




これは清水の舞台に飛び込む準備をしなければならない…?

パンフレットを見ながら心の中で一人意気込んでいた。

拍手にてクリスマス限定のお礼を載せています。

もしよければご覧ください。(※終了しました。皆様たくさんの拍手ありがとうございました!)

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