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成長の欠片 後編その一

手をつないで歩いていた君たちは





今は別の道を歩いている









clarity love 成長の欠片 後編その一









「ななちゃー!にいちゃー!おはよ!」

「おはよう…」

「二人とも起きたのね。おはよう!」

「おはよう」



香南と七海が弁当を作っていると双子が起きてきた。

二人はもうすでに体操服に着替えておりもうすでに運動会行く体制が整っていた。

弁当はもう少しでできるところだったので残りそうなものを二人の朝ご飯に出す。

二人にご飯を出しているとごそごそと香南は携帯とカメラを持ってきた。



「二人とも、写真撮るぞ。」

「「しゃしん?」」

「?運動場でも取れるのでは?」




七海が不思議そうに問うと香南が真剣にシャッターチャンスを狙っていた。




「家で撮るのも良いだろ?なかなかないんだし。おいお前らこっち向け。」

「「はーい!」」




そしてパシャパシャと写真を取っていく香南に苦笑いしか出ない七海だった。








双子を先に学校へ向かわせお弁当を完成させると歩いて学校へ向かった。

メンバーとは雅さんが取ってくれた場所で集合だった。

メールを確認しその場所へ向かうとすでにメンバーが集合していた。

「ななちゃん香南おっそーい!」

「うるせえ」

「すいません。」



燎はセンスの良いジャージを着ており、まるで自分が運動会に出るような感じだった。

周と夏流はジーパンにTシャツ、上にパーカーを着ておりなるべく動きやすい恰好をと配慮したようだった。

場所を取ってくれていた雅さんはいつものように上はYシャツ、下は黒のズボンをはいていた。

全員サングラスをかけており、ある程度ばれないようにの配慮はしてきたが、まわりの人間からしてみればどこの芸能人がやってきたのだと言う状態だった。

いそいそとその場所へ座ると夏流と周にカメラを渡す。

二人に使い方を説明し、早速取りに行ってもらう。




「えっと、美羽は紅組、瑠唯は白組です。」

「おっけー!まかせておいて!みうみうをかっこよく取ってくるよん☆」

「まあ、さっき撮る絶好のポジションを見つけたからね。まかせておいて。」

「よろしくな。」




入場が始まり香南は七海と一緒に見に行く。

同じことを考えている保護者が多いらしく人ごみに少し入らなければならなかった。

「香南さん、大丈夫ですか…?」

すると香南の手が七海の手をぎゅっと握る。

「ずっと握ってもらっていても良いか?」

「はっはい!」

二人で笑い合うと一緒に人ごみに入っていった。

双子たちは入場にとても緊張しており、こわばった表情だった。

その表情さえも愛しく、香南は写真を撮りまくる。




入場が終わると早速と競争が始まった。

運動が苦手な瑠唯は最初の方だった。

とても不安そうな顔をしている。

しかし、その後ろの方から「るいくんがんばってー!」と女の子の声援があった。

「瑠唯って、もててんのか…?」

初めて知った事実に香南は驚く。

「えと、先日女の子からラブレターをもらったと困った顔をされました。」

「本当か?!」

「ええ、なにやら瑠唯のクラスは強気な女の子が多いらしいです。」

微笑ましく見ていた七海だったが香南は少し女の子を見渡すようにつぶやいた。

「変なガキだったらただじゃおかねえ。」

「え」

「ませたくそガキだったら、もう瑠唯に二度と近づけねえ。」

七海はぎょっとして香南を見る。その目は本気だった。

「か、かなんさん、その、まだ小学生ですし。ませていても仕方ないですよ。」

「結婚したいとか言うんだろ?ふざけんじゃねえ。七海以上のやつじゃねえとぜってえ結婚させねえ。」

香南の本気の目にどうしようと目をきょろきょろさせる。

香南は美羽と瑠唯にとても甘い。

親バカと言うか孫を持ったおじいさんというか。

ある意味娘を結婚させないという親と同じようなものだと思った七海だった。

ピストルの音が鳴り瑠唯が走りだす。

緊張していたのか途中で転んでしまう。


「ああっ!!」

「瑠唯!!!」


思わず場内に入りそうな香南を見て七海は腕を引っ張る。


「駄目ですっ!!瑠唯が今頑張ってるんです!!」

「けど!」

「ほら、見てください!」


瑠唯を見ると今にも泣きだしそうだったが一生懸命立ち上がり走り出し無事ゴールした。

そのゴールに観客席からも拍手が沸き起こった。

上級生に救護室に連れていかれる瑠唯の顔はとても嬉しそうで、見てるこっちも何か心を揺さぶられた。


「瑠唯たくさん褒めてあげましょうね。」

「ああ。」


美羽は運動神経抜群なので最後のレースだった。

自信満々にどこか楽しげにスタート地点に立つ美羽にまたもや女の子からの声援。

双子はどちらも人気のようだった。

走り出すと美羽がダントツ一位で学年でトップの記録だったようだ。


「美羽も凄い!!」

「流石だな。」


どちらもとてもいい走りを見せてくれ香南も七海も満足だった。






無事見終えスペースに帰ってくると燎がいなかった。

「雅さん燎は?」

「あー燎なら係をしに行ったよ。ほら、『サポート係』」

「ああ。」

燎は二人が運動会で何か不便がないように水筒を持って行ってあげたり暑かったら冷やしたタオルを持って行ったりのサポート係だった。

運動選手でもこんなにしてくれる人がいるかわからないのに双子は本当に恵まれてるなと七海は思っていた。

「瑠唯くん倒れたんだろう?だから様子を見に救護室の方へ行ったよ。」

「そうか。」

「まあ、あんまり大勢行ってもなんだしここでゆっくり待とう。」

雅さんはそう言いながら二人にお茶を出してくれた。







「よっる~い」

「あ、りょうにーちゃ」

「りょうにーちゃ!!!!」

燎が救護室へ向かうと美羽も一緒にいたらしく瑠唯はちょうど消毒してもらっているところだった。

「おっ美羽もきてんじゃん。一位おめでとう流石だったな!!」

そう言って最初美羽を抱きあげ頭を撫でまくる。美羽はまんざらでもなさそうに嬉しそうな顔をする。

次は瑠唯の方を向き消毒が終わったことを確認する。

「瑠唯も、ちゃんと自分で立って、走って偉かったな~!」

瑠唯を燎は抱きあげ頭を撫でる。すると瑠唯はとても恥ずかしそうに顔を真っ赤にする。

「にーちゃ、僕、もう小学生だよ?」

「わーってるよ!よっしゃ、じゃあお兄ちゃんになった瑠唯くんと美羽くんを自分たちの席のところまでお送りしましょうかねえ?」

「やったー!!」

「だいじょうぶ、だよ」

「俺がしたいんだよ。ほら、いくぞ」

おろしてあげ救護室から出る。外には夏流と周が立っていた。

「るいるいみうみう~!!」

夏流はがっちり離さないと言う様に二人を抱きしめる。

「瑠唯くん大丈夫かい?」

撮影しながら周が心配そうに尋ねる。

「るいね、しょーどくしてもらってた!」

「うん、だいじょうぶ、ありがとう」

笑顔で答えると周も夏流も笑顔で満足そうにうなずく。






まず白組に送ると美羽が瑠唯を指さす。

「これからはてきどーしだぞ!」

「わかって、る」

「まけないぞ!」

「ぼ、ぼくも・・・!」

二人はぷんとそっぽ向くと瑠唯は白組の自分の席へ戻っていった。

二人の戦いに目が離せないなとメンバーはニヤニヤしたまま美羽を紅組へ送っていった。





午前中一年生最後の競技大玉転がしだった。

これは二年生と一緒にやる競技で小さい一年をいかに二年がサポートできるかが勝負だった。

美羽はホープなのかやはりいい具合に玉を転がし二年生についていっていた。

しかし、作戦が良かったのか結果は白組の勝ちだった。





楽しいお昼の後、午後からの競技が始まる。



すいませんやっぱり後編にまとめられませんでした(笑

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