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Kiss the girl!02 ※BL有

あの赤い果実のもとへ





きっとあの子も待っている






僕がそうだったように






あのルージュは






君を待ってるんだよ








clarity love -Kiss the girl!02-






「うーん、」

「駄目だねえ。」

「あいつ、まだやってねえな。」

メンバーの三人が香南を見る。

今日もレコーディングだったためスタジオにいる。

しかし、全く進まない。

香南が思い悩んでいるのだ。

キスのことを意識して以来七海ともあまり会話をしていない。

自分も以前のように七海と話をする自信がない。



それに…




香南は顔を真っ赤にすると俯いてしまう。

「こりゃ駄目だ。」

「夏流はちゃんと仕事をしたのにねえ。甘酸っぱいキスのう・た♪」

周が夏流の肩を引き寄せ耳元で言うと夏流はすぐさま引き離し耳を手で覆う。

「周ッ!!」

「ふふっけど、香南くん締め切りまで近くなるのに…ねえ。」

「うーんこりゃあれだな!奥の手召集!!」

燎が携帯を開くとあるところへ電話をかけた。








「…あのう。」

「いや、緊張しなくてもいいんだよ。リラックスして。」

「あ、もしかして出したお茶嫌い?ジュースもあるよ?」

「お腹すいてんのか?だったらちょっとお菓子とってくる」

「いや、そう言うことではなくてですね…」

電話した夜、琴乃は独り焦っていた。

目の前には大好きなanfangの3人。

以前連絡先を交換したがまさかかかってくる時がこようとは思いもよらなかった。

呼ばれたスタジオに雅さんが連れていってくれ来た先には3人のメンバー。驚かないわけがなかった。

「用事とは…」

「あー、あのね、香南にななちゃんとのファーストキスさせちゃいましょう企画が今上がってていろいろ香南に言ってるんだけど、なかなか香南が実行に移してくれないから困ってて…どうしたらいいと思う?」

どうしたらいいと思うと言われても…と琴乃が悩む。

「それ実は七海に相談されていたんですよ。」

「は?七海が?」

なんで?と燎が尋ねる。

「香南さんがキスをしてくれないから私のこと嫌いになったのかなって。絶対そう言うことないからって七海にこうしたら明日らってアドバイスしたんです。けどこれだけ二人がいろいろやるから、ある意味逆効果かもしれませんね…」

「なるほどねえ…」

ふむふむと周が相槌をうつ。

「うーん難しい展開になってきましたねえ…」

「二人がキスするの待ってたらだめなんですか?」

「それが今のレコーディングに少なからず影響しちゃってるんだよねえ…」

「え」

琴乃が目を見開く。

「駄目じゃないですか!!!新曲待っていたのに!!!こうしちゃいられない!!あんな惚気の二人に任せていられない!」

琴乃が近くにあったホワイトボードに作戦名を書く。

『使うものは使っとけ作戦』

どういうこと?とメンバー3人は首をかしげた。







2日後、まだレコーディングは進んでいなかった。

香南は夕方頃に埒が明かないからとりあえず家に帰れとメンバーにスタジオを追い出された。

原因がわかってる香南はため息をつくがどうにもならなかった。

「ただ、いま・・・」

ドアを開けながら言うとリビングから双子が顔を出してきた。

「「おかえりー!!!」」

ばたばたと玄関へ向かってくる双子に笑顔がこぼれる。

するとリビングからもう一人顔を出している琴乃に気がつく。

「香南さんおかえりー!」

「・・・柳田琴乃?」

「きょ、今日ことちゃんもいっしょにごはん!」

「ななちゃん、い、今作ってる!」

「?」

言い方に違和感を持ったが、気にしても仕方がないと中へ入る。

「香南さんおかりなさい」

七海がリビングに夕御飯を運びながら笑顔で言う。

「ああ、ただいま。」

「すみません。琴乃が突然一緒にご飯食べたいと言うので…もうすぐ準備終わりますから。美羽と瑠唯手伝って」

「「はーい」」

夕御飯の支度を食べ、5人でご飯を食べ始める。

七海と琴乃が笑いながら話をするのを双子が横から口を出し静かに香南が聞いていた。

無事ご飯も食べ終わり食器をシンクへ持って行く。

香南はシンクに食器を置くと後片付けは自分でしようとスポンジを持ち洗剤をつける。

「あ、私がやります!」

七海が食器をシンクに置きながら促すが香南が首を振る。

「いつもいないし今日ぐらい俺にやらせてくれ。」

「けれど…!」

二人は目があう。しかし二人の距離の近さにお互い目が真っ赤になる。

離れないとと思っていると突然後ろから声がかかる。




「双子!!行け!!!」

「ななちゃん!!」

「ごめんなさい!」




互いの足もとには瑠唯と美羽がいた。

そしてお互いの後ろから瑠唯と美羽がお互いを前に押しあう。






あ、







思っているうちに唇が重なり合った。









七海がへなへなと崩れそうになるのを香南がスポンジの持っていない手で支える。

「大丈夫!?」

「ななちゃん?」

「だ、大丈夫」

苦笑いしながら双子に応える。

香南は電話をし始めている琴乃の方を睨んでいた。

「おい、柳田琴乃。どういうことだ…」

すると琴乃がにやりとしながら電話を音を周りに聞こえるようにする。

「双子ちゃんありがとう!そしてお疲れ!!!」

「その声はナツ!!!」

かみつくように香南が言う。

「いや、香南くんが悪いんだよ?どうだった?」

「これからはまわりが何をしないでもできるようになれよな。」

「てめえら…」

香南が七海をそっと離し、琴乃から携帯を奪う。

そんな横で七海はわけがわからないとはてなを浮かべていた。

「琴乃…?」

「ごめんね。双子もありがとう。」

「んーん」

「ななちゃんとにーちゃんきすできた?」

「へ!?」

七海がびっくりするように双子を見る。

「ことちゃんが心配してた。ななちゃんとにーちゃんきすしたいんでしょ?」

「僕たちがきょうりょくしたら、できるんだよね?」

できたの?!と期待を込めた目で七海の方を向く。

七海は琴乃の方を向く。

「anfangの人たちも同じことを思ってたみたい。」

香南の方を見ると怒りながらも顔を真っ赤にして電話をしていた。

「最近香南の行動が少しおかしかったのもそのせいみたいよ。」

「そう、だったの…」

七海は意を決し香南の方へ行くと香南がこちらに意識を向ける。

香南は七海の目上使いに照れながら呼びかける。

「なっ、七海…?」

「香南さん!」






携帯を離した隙に再び唇を重ねる。







香南が携帯を落としがたんと倒れると携帯から香南?!と大きな声が聞こえてくる。







「kiss奪っちゃいましたね?」







照れながら言う七海に香南は何も言えず顔を真っ赤にするだけだった。


















何もしないその唇には






彼女の悪戯な唇が






降り注ぐ

お待たせしました!

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