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不完全少年


 着替えは乾燥機の中から見つかった。着替えて、僕は灰色の人の家を出た。僕は家出したんだ。だから家があっちゃダメだ。くしゅん。外はもう乾いていた。消え残る雨の匂いがまだ透明を燻らせている。すべてが白に染まる前に僕は歩き出した。

 雨が降ったあとの街は臭い。水が腐った匂い。何かが死んでる。昼の街まで歩いていくといろんな人がいるけれど、自分の色を持った人には出会わない。

 繁華街には初めてがあふれていた。ゲームセンターは悪の巣窟だって友達が行ってたから近づくのはやめておく。大きな本屋さんは椅子に座って読んでいても怒られないらしい。でも漫画はみんな包装が掛かっていた。小説は大人の読み物で僕みたいな若輩者にはちょっと早い。僕は漫画雑誌を買ってマクドナルドに行った。一人で入るのは初めてだ。僕は照り焼きバーガーのセットを頼んで少し待つ。昨日からチョコレートしか食べていなかったのでお腹が空いてる。運ばれてきたそれを口に詰め込む。美味しい。パンと肉が喉を下る。ポテトとジュースも直ぐになくなった。ゆっくりと雑誌を捲る。普段読まない漫画も全部読んだ。読み終わってから、次にどこへ行こうか考える。ここにはいろんな物がある。スーパーや古本屋さん。カラオケボックス。その他諸々。それは全部家や学校にはないものばかりだ。一つずつ回って行こう。せっかくの家出だ。僕はいま自由なのだ。学校なんていかなくていい。早起きする必要もない。遊びたいだけ、遊べばいい。


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