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不完全少年


 ぐどぐどのホラー映画も、謎解きが鮮やかなミステリー小説も僕はそんなに好きじゃないけれど、彼女と一緒だから見て聴いた。カラオケボックスではあまり得意じゃない歌をたくさん歌った。時間がすぎるのが早かった。世界が僕らを置いていってしまったように感じた。太陽は沈んで月が昇る。三日月だった。細い体を強く光らせている。僕は満月よりこんな、どこか欠けたような月のほうが好きだ。自分に似ているからかもしれない。何か足りていない、不完全な月。

 マクドナルドでハンバーガーを食べ終わって、女の子は帰るという。不意打ちだった。なんとなく僕らはこれからずっと一緒に居続けるような気がしていた。そんな思い込み。忘れていた。世界は廻っているのだ。

「そうか。今日は楽しかったよ」

 僕は言う。そして自分が少し青色を取り戻していることに気づく。

 女の子は帰って行った。後姿を目で追いかけて、きれいな子だったなといまさら思った。

「僕も帰ろう」

 どこへ? あの公園へ。

 僕は席を立った。二人分の食べ跡はそのまま置いておいたら店員さんが片付けてくれる。そうしないと次の人が座れないから。店を出るときにレジの人と目があった。

「あ」

「あ」

 気づいたのは半秒あっちのほうが早かった。灰色の女の人がいた。

「なになに困ったクンこんなとこでご飯食べてたの? ちょっとこっち来なさいよ。暇ってほどじゃないけど暇なの」

 レジに並んでる人はいなかったけど、他のお客の迷惑とか考えないで女の人は僕を呼ぶ。なんだか無視して帰るのはひどい気がして僕は女の人を見上げた。後ろで他の店員さんが睨んでるけど女の人に気にする気配はない。




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