後日談 「戻ってきたが、何も語らない」/失踪者視点
戻ること自体は、難しくなかった。
校門は、以前と同じ場所にあった。
開く時間も、閉じる時間も変わっていない。
私の記録は、途中で終わっていた。
それ以上でも、それ以下でもない。
誰かに呼ばれたわけではない。
戻る理由も、用意していない。
ただ、歩いた。
――移動:校門通過
――接触:なし
委員会室の前で、少し立ち止まる。
申告すべき内容は、特に思い浮かばない。
消えていた時間。
どこにいたか。
何をしていたか。
言葉にすると、形が変わる気がした。
だから、何も言わない。
誰かが見ているのは分かる。
だが、質問はされない。
例外は、もう付いていない。
――状態:通常
――問題なし
それで十分だった。
私がいなかった時間は、
誰の行動も変えていない。
戻ってきた今も、
何かが始まるわけではない。
何も語らないまま、
席に座る。
それだけで、記録は続く。
本作『保留された記録』は、
前作『特に問題なし』から続く連作の一編です。
このシリーズでは、
出来事そのものよりも、
判断されなかったこと/使われなかった反応が
どのように残り続けるのかを描いています。
本作はAI生成をベースとしていますが、
構成や表現の取捨選択、最終調整は作者が行っています。
小説家になろう、および使用ツールの利用規約に抵触しない形で制作しています。
派手な展開や明確な答えを提示しない作品ですが、
沈黙や保留を含めて読んでいただければ幸いです。




