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管理者は、世界の味方じゃない
β-2は街を見下ろした。
「ここ、直しただろ」
「一応な」
「でも、未来は詰んでる」
淡々と事実だけを言う。
「助けた意味、あった?」
……痛いところを突く。
「世界を救う気はないんだ」
β-2は言った。
「僕はただ、
“壊れ方”を観測してる」
管理者でも、目的は違う。
世界の味方とは限らない。
*
翌朝。
街に小さな変化が起きていた。
人が、少しだけ増えている。
理由は単純だった。
「魔物が減ったらしいぞ」
「街道が安全になったって」
俺は胸が重くなる。
延命はできないと、分かっている。
それでも、人は希望を抱く。
ミラが笑顔で言った。
「街が、また動き出しました!」
……言えない。
30年後、ここは消える。
感情は、修正できない。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!




