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最強勇者パーティを追放された俺、実は“世界の仕様書”を書いた本人でした  作者: ちいもふ
第6章:【真・創世記】「働かずに稼ぐ」という神話と、一億人のログイン移民
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【共犯】「五人で一人の王になろう」――世界への反逆開始

 深い眠り(スリープモード)に強制移行させたレインを寝かせ、四人のヒロインは玉座の裏に位置する、ログさえも届かない極秘の会議室に集まっていた。

 先ほどまでの涙は消え、その瞳には「守護者」としての鋭い光が戻っている。


「……レインの消失まで、残された時間はあとわずかです。通常の方法では、一億人の演算負荷を止めることはできません。止めた瞬間、帝国が崩壊し、彼はその反動フィードバックで即座に消滅します」


 アリスが、震える指先で虚空に絶望的な数値を投影する。

 あまりにも無慈悲な羅列られつを前に、三人は息を呑み、沈黙した。


「……方法はあるのでしょう? アリス。私たちをここに呼んだということは、『裏道』を見つけたということね」


 エルナが腕を組み、静かに問いかける。

 元・運営の看守である彼女には、アリスの覚悟が分かっていた。


「あります。ですが、それは『規約違反』どころの話ではありません。……私たちの存在定義そのものを書き換える禁忌きんきです」


 アリスの言葉に、リヴィアが不敵に口角を上げた。

 黄金の魔力が、決意と共にふくれ上がる。


「主様を救えるのであれば、神だろうが、叩きつぶすのみですな! 規約など、主様がいない世界では紙屑かみくずも同然ですぞ!」


「……私も、先輩を失うくらいなら、悪い子になってもいいです。シュガーにできること、なんでも言ってください」


 シュガーも、いつもの後輩らしい甘さを捨て、まっすぐな瞳でアリスを見据えた。

 アリスはうなずき、禁断のプランを口にする。


「……『共同統治システム』の構築。レイン一人が背負っている管理権限を強引に分解し、私たち四人に無理やり連結リンクさせます。王の背骨を四本の柱で支えるのです」


「それは……私たちが、レインと不可逆的につながるということね?」


 エルナの問いに、アリスは重く頷いた。


「ええ。痛みも、負荷も、そして魂の寿命もすべて共有します。五人で一つのアカウントになる……いわば、心中にも等しい共犯関係です。一度行えば、二度と元の『個体』には戻れません」


 一億人の欲望という名の毒を、共に飲み干す覚悟があるか。

 四人の間に、迷いはなかった。


「……全員、腹は決まったようですな」


 リヴィアが中心に手を差し出す。

 そこに、エルナ、シュガー、アリスの手が重なった。


「これより、主様に内緒で『運命への反逆』を開始しますぞ。……準備はいいですかな、共犯者の皆さん?」


 帝国の夜。

 王が眠る傍らで、四人の女たちは「救済」という名の最大の反逆へと足を踏み出した。

 最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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