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未定義個体は、世界を喰っていた

 依頼地点。


 そこにいたのは、魔物ですらなかった。


 地形が、歪んでいる。

 音が、遅れて届く。


【存在名:未登録】

【分類:不明】


 近づくと、

 地面のデータが削られていく。


「世界を……喰ってる?」


 バグが、自己保存を始めている。


 俺は即座に権限を展開する。


【修正案:削除】

【警告:失敗確率 37%】


 ……高いな。


 完璧じゃない。


 でも、やるしかない。


*


 結果だけ見れば、成功だ。


 未定義個体は消え、

 街道は安定した。


 ミラは笑顔を取り戻す。


「ありがとうございます……!」


 だが。


【街・ラゼル】

【安定度:回復】

【将来予測:30年後、消滅】


「……え?」


 未来予測が、最悪だった。


 原因は一つ。


 未定義個体が、

 “この街を延命していた”。


 バグが、支えになっていた。


「……皮肉だな」

 最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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