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最強勇者パーティを追放された俺、実は“世界の仕様書”を書いた本人でした  作者: ちいもふ
第3章:聖域に金髪巨乳の守護竜が加わりました 〜今さら戻ってきてと言われても、隣には神話級の美女がいるのでお引き取りください〜
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精密演算のテリーヌか、絶滅危惧種のグリルか。管理者の胃袋を巡る聖域の正妻戦争

 座標NULL(レインの庭)の朝は、本来なら小鳥のさえずりと共に静かに明けるはずだった。だが、今のこの家には、世界を焼き尽くす「黄金の災厄」が居座っている。


「ぬぉぉぉぉ! 主様ぁぁ! 朝ですぞ! リヴィアの目覚めの咆哮ほうこうで起きるのですぞーーっ!!」


 ドォォォォォン!!


 寝室の扉が、物理的な衝撃波と共に吹き飛ぶ。 ベッドで微睡まどろんでいたレインの上に、黄金の光をまとったリヴィアが、その凶悪なまでの質量――特に胸部を武器にしてダイブしてきた。


「ぐふっ……!? リヴィア、お前……朝から重い……!」


「むふー! 主様の心拍数を確認! これぞ忠竜ちゅうりゅうの務めですぞ!」


 レインの顔面に、リヴィアの柔らかすぎる「バグのかたまり」が押し付けられる。視界が黄金色の肌で埋め尽くされ、窒息死の危機を感じたその時。


「――お掃除の時間ですね」


 冷徹な声と共に、一本のくわがリヴィアの襟首えりくびを正確に捉え、そのまま彼女を窓の外へと「パージ」した。


「ぎゃああああ! また放り出されたんですぞぉぉ!」


 窓を突き破って庭まで飛んでいくリヴィアを見送り、アリスが一礼する。その手には、既にれたてのコーヒーが握られていた。


「おはようございます、レイン様。……害獣の駆除くじょが遅れ、失礼いたしました」


「……おはよう、アリス。助かった。死ぬかと思ったぞ」


「いえ。……リヴィアには、後ほど『管理区域内の騒音規制』について、身をもって分からせておきますので」


 アリスの背後に渦巻くどす黒いオーラ。だが、リヴィアはりなかった。数秒後には、再び爆音と共にキッチンへ乱入してきたのである。


「主様! リヴィア、汚名返上のために朝食を作りますぞ! ドラゴン流『超高温ブレス焼き・岩盤がんばんステーキ』ですぞ!」


「ダメだ。キッチンが溶ける」


「では、私が。レイン様の健康状態に合わせた『精密演算フルコース』を用意してあります」


「リヴィアの肉料理の方が、精がつきますぞ! 主様はもっとムキムキになるべきですぞ!」


 二人のヒロインが、レインの両腕をつかんで引き合う。右腕には、アリスのしなやかで冷涼な肌の感触。左腕には、リヴィアの熱を帯びた、吸い付くような柔らかい感触。


「……二人とも、落ち着け。朝からそんなに食べられない」


 レインはため息をつき、管理ウィンドウを開く。


「こうなったら……【管理者権限:味覚の共有】。二人が作ったものを、俺が判定する。負けた方は、今日は大人しく庭の草むしりをすること。いいな?」


「「望むところです!!」」


 こうして、聖域のキッチンを舞台にした「朝食デスマッチ」の幕が上がった。


 アリスが作るのは、聖域で採れた高純度魔力の薬草をブレンドした、透き通るような『七色野菜のテリーヌ』。一方、リヴィアはどこから持ってきたのか、神話級の魔獣の肉を、その黄金のブレスで一瞬にして調理した『絶滅危惧種のグリル』。


「さあ、主様! リヴィアの愛の重さを食らうのですぞ!」


「レイン様、こちらが『正解』の食事です」


 目の前に並ぶ、明らかに一人前の分量を超えた料理の山。レインは覚悟を決め、二人の熱い視線にさらされながら、フォークを手にするのだった。


「……ふぅ。……美味い、が……胃もたれがすごいな」


 結局、レインは両方の料理を完食し、その場で動けなくなった。二人のヒロインは、お互いに「主様は私の方を先に食べた!」「いや、私の方を多く食べた!」と、不毛な言い争いを続けながら、動けないレインを挟んで川の字で添い寝を始める。


「……リヴィア、近すぎる」

「むふー! 主様の湯たんぽになりますぞ!」

「……。私が、レイン様の『同期』を優先します」


 レインの左右を、銀髪と金髪の美女が埋める。管理者の平和な朝は、文字通り「爆発的な愛」によって、今日もまた騒がしく過ぎていくのだった。

  最後までお読みいただき、ありがとうございました!


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