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最強勇者パーティを追放された俺、実は“世界の仕様書”を書いた本人でした  作者: ちいもふ
第2章:管理者の箱庭と、捨てられた予備聖女の覚醒
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管理者流クリーンアップ――不法侵入者は『ゴミ』として処理されました

「……ギギ、ギギギ……ッ!」


 境界線の看板を蹴り飛ばし、反射ダメージで右足を変な方向に曲げたアルディスが、地面をいながらうめいていた。 勇者のプライドはズタズタだ。


「アルディス様、早く戻りましょう! ここは異常よ、私の治癒魔法ヒールが……霧のように消えていくわ!」


 聖女セシリアが青ざめた顔で叫ぶ。 無理もない。この領域はレインによって『許可なきリソース消費の禁止』が設定されている。レインの承認がない魔法は、発動した瞬間に「無効なデータ」としてシステムに没収されるのだ。


「うるせぇ! この先に……あのお宝さえ手に入れば、こんな足……っ!」


 アルディスが執念で境界線を越え、庭の芝生に指をかけた、その時。


 ログハウスの窓から外を眺めていたレインが、面倒くさそうに指を動かした。


「……アリス、悪い。庭の端に『有害な不純物』が混入したみたいだ。デバッグついでに掃除しておくよ」


「はい、レイン様」


 レインが空中に浮かぶ半透明のウィンドウを軽くタップする。


《環境維持コマンド:クリーンアップ実行》

《対象:座標内の未認証オブジェクト(ゴミ)》


「な、なんだ!? 地面が……揺れて……!?」


 アルディスたちの目の前から、半透明で巨大な「掃除用スライム(自動デバッグ・プログラム)」がヌルリと現れる。 それは戦う意志など微塵みじんもなく、ただ「散らかったゴミを片付ける」という事務的な動作で、アルディスたちを包み込む。


「離せ! 離せぇ! 俺は勇者だぞ! 聖剣で切り刻んで……えっ」


 自信満々に振り下ろした聖剣は、スライムの表面で「プニッ」と弾き返された。 攻撃力すら判定されない。ただの「ゴミの抵抗」として処理されたのだ。


「……あ」


 次の瞬間、スライムの核が激しく発光した。


《処理:領域外への強制排出》


「うわあああああああああああああ!!!」


 凄まじい圧力と共に、アルディス、セシリア、そして他のメンバーたちは、まるでピンボールの玉のように空高く弾き飛ばされた。 時速200キロを超える速度で、彼らは「消失領域」の外……遥か遠くの泥沼へとシュートされた。


「……ふぅ。これで静かになったな。さて、アリス。デザートのリンゴ、もう一個 こうか」


「はい! ありがとうございます、レイン様!」


 外で勇者たちが空の星になったことなど露知らず、レインは平和な午後のティータイムを再開した。


 一方、泥沼に真っ逆さまに突き落とされたアルディスは、泥を吐き出しながら空を見上げて絶叫した。


「覚えてろ……! 次は、軍を引き連れてでも、あの場所を焼き払ってやる……!!」


 彼が怒りに燃えるほど、レインの仕掛けた「自動防衛システム」が牙をくことになるとも知らずに。

 最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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