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勇者の栄光と街の滅亡
戦闘の最中、
β-2の声が脳裏に響いた。
《観測結果:世界安定度、臨界》
「……そうか」
俺は初めて後悔した。
完璧じゃないから、
守れないものがある。
そして理解する。
――これは、序章だ。
本当に壊れるのは、これからだ。
*
魔物の群れが、街へなだれ込む。
アルディスは前に立った。
街の人々は、逃げなかった。
「勇者様がいる!」
その声が、最悪だった。
迎撃は成功する。
だが、被害は出る。
俺は、そのまま見ていた。
死者は出なかった。
それだけで、街は歓喜した。
「やっぱり勇者様だ!」
「この街は安泰だ!」
未来予測が、さらに縮む。
【街・ラゼル】
【将来消滅:18年後】
数字が、静かに悪化する。
誰も、それを知らない。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!




