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塩対応な女の子に惚れられた話

そんな生活が続いて早くも1ヶ月が過ぎようとしていた、その間、僕は紬のことを無視し続けた、多少反応することはあっても、その反応もなるべく冷たくしていたはずだ、そうすれば、いつかは紬の心が折れるだろうと思っていたから、だが… 


紬「好き」


どういうことだろうか、なぜか僕は紬に惚れられてしまっていた、本当に、本当に謎だ、女の、いやこいつの考えがわからない、誰か…誰か教えてくれ… 


僕「暑苦しいから少し離れてくれないかか?」

紬「イヤだよ」

ルンルンといった感じで紬は言葉を返す


ここ1ヵ月でこいつの距離感は異常なまでに近づいていた、べったりするのは当たり前、全く離れようともしない上にそんな素振りも見せない、それ故に周りからの視線が痛いのだ、野郎連中からの嫉妬の視線が、痛いのだ。

僕はそいつらに教えてやりたい「無視し続ければ惚れられるぞ」と


紬「今日はお弁当を作ってきたの、ほら、食べて食べて」

僕「イヤだ、いらない、第1腹が減ってない」

僕は冷たくそう返す 

紬「そう言うと思った、でも無理矢理にでも食べさせるからね」

そう言いながら紬は馬鹿でかい弁当箱を取り出した

僕「いや、その量は普通に食えねぇよ…」


正直言って、僕はこいつを、紬を無視するのが少し辛くなってきていた。

ここ1ヶ月こいつと関わって、こいつがさほどやばい奴ではないという風に感じ始めていたからだ。

確かに性格は少し曲がっているのかも知れない、だがたった数文字の会話だけでも、こいつの良いところは見えるし、なにか困ったことがあれば、言葉にする前に察して手助けをしてくれる、そんなこいつを無視する度に、僕の心には罪悪感が募っていった。

ならいっそ好きになってしまえば良いじゃないか、という人もいるだろう、だが、それでも僕はこいつのことを好きにはなりたくないのだ、なぜなら、今までの行動全部が、俺を惚れされるための演技のようにしか見えるから、こいつの手のひらで踊らされているように感じるからだ、それに、こいつを好きになってしまえば、俺も周りの奴らと同じになってしまう、それだけはイヤだった。

だから僕は何回目かわからない言葉を紬に言った。


僕「頼むからもう関わらないでくれよ…

お前のせいで、本当に色々と迷惑してるんだ」


これは紛れもない事実だった、紬と関わってから、僕は嫌がらせを受けるようになっていた、引き出しの中が字の如く地獄絵図になっていたり、下駄箱が荒らされいたり、極めつけには教科書が無くなったりもした。


紬「けどそれを解決したのも私だよ」


それも…事実だった、こいつは僕が見てないところで動いて、その嫌がらせをいつの間にか無くしていた。

まぁ原因はお前なんだから当然だろ、と言うのは敢えてここでは言わないでおく。


僕「お前、僕を惚れさせるはずだったろう、それなのになんでこんな事になってるんだよ…」

紬「だって初めてだったんだもん、話しかけてもほとんど無視されて、未だに気持ち悪い視線も送ってこない、ずっと変わらずに、軽蔑するような目線を送ってくる、そんな姿勢が、そんな姿が、好きになっちゃったの」

僕「……な、なにを言ってるんだ、異常だよお前…」

紬「そうだよ、私は異常、でもね、あなたも異常だよ」

僕「……」

紬「これだけ積極的に接しても、あたなは私に惚れない、変な視線を送ることもない、そんな振り向かないあなたを私は好きになっちゃったの、そしてその時初めて知った、私、追いかけるのが好きなんだって、追いかけられるのは嫌い、けどあなたを追いかけてるときはなぜか楽しいの」

僕「…そうかよ…」


そんな話を聞いた俺は脱力するように天を仰いだ、そう、これは非情にまずいのだ、こいつは自分に惚れない存在が好きなのだ、きっと僕がこいつに惚れてしまえば、こいつの僕に対する気持ちは一変するだろう、なぜなら追いかける必要がなくなってしまうから。

絶対に両思いにはなれない、そんな関係。

だから、なおさら、僕は思う、離れてほしい、僕がこいつに惚れる前に、さっさと僕から離れて欲しいのだ、だってその恋愛は成就しないから、僕がこいつを好きになれば、こいつは僕から離れていく、そんな決して叶うことのない恋を、僕はしたくないのだ。

だってそんなの辛すぎる、両思いだと思っていたのに、急にそっぽを向いて冷たくされる、そんなことをされれば、きっと僕は壊れてしまう、人を信じれなくなってしまう、なんとなくそんな予感がするのだ。

そんな僕の気持ちも知らず、こいつは、紬は今日も僕にアプローチをしてくる、僕を誘惑してくる。

そしてこんな事を言う


紬「えへへ、目標が出来ると人生ってこんなに楽しくなるんだね、恋愛なんて絶対しないと思ってた、人を好きになることなんて絶対にないと思ってた、けど、あなたと出会って世界が変わった、今はそれが楽しくて仕方ない、だから」

紬は僕の耳元に近づいて

「私のこと、絶対に好きにならないでね、この世界が壊れないように」

僕「……あぁ」

これは、絶対に彼女を好きになってはいけない、絶対に彼女に惚れてはいけない、そんな恋愛とはほど遠い、恋愛なのだ。

ふ~、感想頂戴ビ~ム!

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