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⑶『自問自答の文学談義室』
⑶『自問自答の文学談義室』
ー3回生からのお前はどうだったんだ。
俺は専門を、志賀直哉に絞ってね、『和解』って小説を、選んで発表した。
ー『和解』はどうだった。
いや、読んで感動したし、良かったよ、すごく勉強になった。志賀直哉は、小説の神様だから。
ーそうだな、確かにそうだ、そしてその後、お前はどうなる。
4回生は、芥川龍之介の『歯車』さ。多分俺は、この小説を読んでから、おかしくなったんだ。
ーなるほどな、教授も言ってたらしいじゃないか、『歯車』は危険だって。
しかしだな、俺は『歯車』を読んで、心底感動したんだよ。で、卒論は、芥川龍之介の、『河童』と『歯車』さ。