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【小説家になろう】夏のホラー企画関連

【夏のホラー2022】今は亡き少年のための

作者: 吉野貴博

 友人が、誰もいない部屋に人の気配を感じて気持ちが悪い、一緒に見てくれないか、と言ってきた。

 めんどくせーと嫌だったのだが、しつこさに押し切られ部屋に行くことに。

 二部屋あるうちの一部屋が、あまり使われず、まぁまぁ物置みたいなことになっている。もう一部屋で日常生活を送っているのだが、最近その使ってない部屋に人の気配を感じるようになって怖いと。

 別に音を探してくれとか録音してくれと頼まれたわけではないのだが、私の経験上道々見当をつけ、オーディオのスピーカーケーブルが電波を拾ってスピーカーから声がしていて、それが誰かいるように感じているんじゃないかと思っていたが、部屋を覗くとオーディオがない。だからスピーカーもない。今時の独り身男性が、買ったけど使用頻度が低いものを集めた部屋にはなっているが、音楽はスマホで聞いているのか。

 昔のパソコン、キーボード、ラケット、ダーツ、いろいろあるなぁ。

 ぐるりと見渡しても特に問題がありそうな物は見つからない……と思ったが、あった。

 ビクターFR-6600。

 持ち上げてスイッチを入れてみるが、何の反応もない。

「ああ、それか、ラジオだよ、俺だってラジオが電波を拾ったのかと思ってさ、だから電池もコンセントも抜いたんだ。それでも気配はする。それは原因じゃないよ」

「……お前さ、これ、どっから入手したんだよ……」

 説明が難しそうだ。特に高額プレミアが付いているわけではないものは尚更。

1970年代にBCLという、海外の日本語ラジオ放送や、遠く離れた地域のAM放送を聞こうってブームがありまして、ソニーが良いラジオをたくさんだしていたんですよ。そんな中ビクターもBCLラジオを出しまして、私も値段の都合でこれを買ったんですが、結構良かったんです。

でも製造台数が少なかったとかあまり宣伝しなかったとかで知ってる人が少なく、元の持ち主の思いが、と書いてみました。

知らない人には解説がなければさっぱり解らない、だからこそ原因が解らない人には怖いだけな話です。

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