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天女  作者: 南清璽
99/112

天女 第99回連載

「一層あの三人と、お前とで会ったらいいのではないか。」

 Kの、その言葉に無謀さを感じたのは,否定しきれない。だが、無下にすることも躊躇った。それというのも、Kは、怜悧であり、何かの考えが及んでいることが推察できたからだ。だが、その真意が掴みかねる次第だから、尋ねることにした。尤もそうした場合、多くは蔑む態度を見せた。だが、単に優越感に浸りたいがための仕儀であることも承知できていたから、以前ほど気にならなくなっていた。

「そうしたら、何がしかの効果が得られるとでもいうのかね。」

「そう考えている。」

 安易に訊くのはよそうと考えた。きっとKももったいつけようと考えているだろうから。ふと、こんなことでも、頃合いというものがあるのかと考えた。どことなくKの表情に早く訊けという彼の気持ちが窺えた。

「丁度、三すくみの状態になるのではないか。」

「成程。」

 確かにそうだと。つぶさに、各々の感情を読み取れるのだから。御曹司が如何に天女に執心しているか、あるいは、天女が、御曹司に囲われるの望んでいないかを。他方で、その“成程”という私の言葉とは裏腹に、何だその程度のことか、と思ったのも事実だ。だが、そこは微塵にも出さずにKの言葉を聴き入ってしまった。

「流石に、ご新造も、夫君を前にして,その懐剣を抜いたりはしないだろう。」

「そうとは言い切れないのではないか。」

 Kは、そんな私の物言いに、微笑を浮かべた。だが、これに続くKの話より、その浮かべた表情が、私を蔑んだものなのかどうか気になった。

「もちろんだ。だが、、そのときは、お前が身を挺して天女を守ればいい。幾分かは、贖罪の気持ちになれるのではないか。」

 言葉のあやか、手管か、贖罪というKの言葉に引っかかるものがあった。下手に弁明もせず、聞き流すことにした。


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