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天女  作者: 南清璽
94/112

天女 第94回連載

「閉鎖した診療所だというのに、此処には、やけに診察を施している雰囲気がしてね。」

 ややもすれば、Kの話し方は、大仰な物言いだと捉えられても、おかしくない感じだった。私に向けられた疑いから、そうなったのだと推察した。侵入したのは、他ならぬ私だと言わんばかりに。

「そうなのか。」

 一応の肯定をした。それも、強く否定できないばかりにそうした次第だった。むしろ、関心なさげな反応だったかもしれない。こういった手管の応酬は概して、膠着に陥るものであり、それを嫌うばかりに何かの都合から、一旦は。他に話題が移せないものか、思案した。

「実は、天女のことで、君にお願いしたいことがあるのだが。」

「あの遊郭にいた女か。」

「そうだ。」

「どんなことだ。」

「知ってのとおり、お館様は死んでしまった。御令室も、しばらくはいいとしても、近い将来、あの家を出てもらうと。ただ、このままじゃ忍びないので、誰か彼女の面倒を見てもらえる人を君に紹介願いたいと、こういう次第だ。」

「それは、都合のいい話だ。」

「都合がいいとは?」

「そういった意味ではないが、俺もある御仁から頼まれている。天女の居場所を教えて欲しいという。」

「まさか?」

「そのまさか、だ。」

 御曹司と。

「だが、それはいろんな面で面倒であるし、波乱含みでもある。」

「波乱含みとは、何だ。」

 もちろん、これはご新造様が懐く、天女への忌々しさであり、父君から持たされた懐刀で、その彼女に危害を加えないかもしれない、ということだった。だが、それも大事だが、天女が、御曹司に会うのを避けようとしているのを、何よりもKに伝える必要があった。


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