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奴隷契約

この世界にも奴隷はいるそうです。

女盗賊を追いやった後、村を声をかけながら歩き回った。少なくない人数の死体が横たわっている。

「盗賊はもう撃退しました~。生きてる人や怪我してる人は申し出てください~。」

大声を出しながら村を歩いて回った。すると、少しずつ村人が顔を出してくる。

「すまんがこっちにけが人がいるから、運ぶのを手伝ってくれ。」

こちらに声をかけてきたので、走って声のする方に向かうと血まみれの子供がいる。一瞬もう手遅れ化と思ったが、よく見ると胸が上下しているが幾分の猶予もない状態なのはわかった。

「ライトヒール!」

少し傷が治った感じがするが、まだまだ予断を許さない状態だった。

「今度はライトヒール、ライトヒール、ライトヒール、ライトヒール。」

なんとか傷が塞がって呼吸が安定してきた。

『【回復魔法のレベルが上がりました。】』

「傷は塞がりましたが、しばらくは絶対安静にして寝かせてあげてください。私は他の人を見てきます。」

村人は大体50人ほどの集落であるが、10人もの人が命を落とした。その残りの半数も重症または軽症の傷を負い新しく覚えた【ハイヒール】で回復させていった。

「この度は村を救っていただきありがとうございました。大したお礼もお手無しもできませんが、せめて今晩だけでもこの村に泊まっていってください。」

この村の村長と名乗る人が頭をペコペコ下てくるが、さっきまで盗賊団に襲われ殺された人の葬儀や後片付けも大変だろうから、もてなしは固辞して村を出る事にした。

「もし近くを訪れる事がありましたら是非とも村にお寄りください。」

忙しいだろうに村人総出で送り出してくれた。

こちらとしてはさっき逃した女盗賊が気になってアジトがあると言われたガケの方向に向けて歩いていった。ほどなくして森になっていった所で【気配察知】が明らかに人間と思われる反応があった。

『【マップ】【サーチ】がスキルに追加されました。』

「後ろに隠れてないで出てきたら?」

前を向いたまま声をかけた。

「やっぱりばれたか。さすがダーリン。」

「盗賊を仲間とかにするつもりはないぞ?」

きっぱりと断ると

「それなら奴隷でもいいから連れて行っておくれよ。」

自分で自分を抱きしめて腰をくねらせながら言ってきた。

「えっ?奴隷でもいいの?」

「そりゃこのまま捕まっても奴隷落ちだろうからさ。それなら惚れた男の物になりたいさね。」

真剣な目で見てこられた。そんな目されると非常に困る。

「けど、奴隷の魔法なんて使え……。」

『【隷属魔法LV.MAX】がスキルに追加されました。』

「いきなりレベルMAXとか…。」

「ん?隷属魔法なら奴隷商が使えるから手数料でしてくれるさ。」

「何か隷属魔法使えるようになったみたい?」

「ダーリンは奴隷商なのかい?」

「いや?ただの旅人だと思う…。」

「ふーん。何か色々ありそうだけど、今はいいさね。早く契約しておくれよ。左手の甲に奴隷紋刻んでくれたらいいから。」

「うーん。隷属まほー。」

どう使っていいかわからなかったので、とりあえずそれっぽくしてみたら、かなりアホっぽくなってしまった。

それでも、盗賊の左手の甲が光りだした。


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