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大河と百合①  作者: 赤木
1/1

大河と百合の出会い

・完全なる一次創作

・日本語が変

・ころころ視点が変わる

・同じ言葉がよく繰り返される

・方言の間違いが飛び交う

・階級とかよく分かんない


作者は上のような状態で書いております。

~ 大河と百合の出会い ~



「博多中尉ィ、伝言だァ!」

「はい!」


大河(博多中尉)を呼び止めたのは、大河が「赤」だったときの教官で、特徴的な喋り方のヴァルヴェリー(Valverly)少将だ。


「数日前に最近噂の上等兵になったやつがいるんだが、しばらくそいつと街を巡回しろという伝言だァ」


噂には聞いていた。

歳は13歳で、上等兵最年少の記録を更新した。

しかも、呪眼の一族だそうだ。

だとしても13歳で流石に上等兵に昇進するには若すぎる!


「簡単なプロフィールと巡回ルートだァ。早速今日から巡回してもうらう」

「はい」

「待ち合わせ場所は校門前だァ。頑張れよォ」

「はい、ありがとうございます」


大河は礼儀正しく書類を貰いお辞儀したあと、待ち合わせ場所の校門前に向かった。

面倒臭いという気持ちもあったが、どんな奴なのか楽しみでもあった。




待ち合わせ場所の校門前についた。

門の警備をしている軍人に軽く敬礼し、相手が来るまでプロフィールをみる事にした。


────────────────────


名前 [[rb:綾瀬川 霧 > あやすがわ きり]]

種族 ヒト型ヒト科 東洋

性別 男性

生年月日 ◯年9月29日

年齢 13歳

身長 155cm 体重 46kg


経歴

<やや省略>


8歳

同じ一族である二階堂家の次男・[[rb:二階堂 哲也 > にかいどう てつや]]による放火で、両親とお腹にいた赤ん坊共に死亡。

それをきっかけに「眼」の力が非常に強く働き、犯人を串刺しにして殺害。

その後、ミスト精神病院へ入院。

(魔法結界による隔離部屋で1年入院)


9歳

ミスト精神病院を退院。

サンベル特別小学校へ転校。


─ 別紙 ────────────────


入院生活

1周目 両親の幻影を見始める。

2周目 食事を食べる量が減り始めた。

1ヶ月 炎がトラウマになっていると発覚。

2ヶ月 両親の幻影度がさらに増し、「眼」が暴走し始めた。


────────────────────


かなり痛々しい内容が書かれていた。

大河はじっくり読むことを止め、残りの経歴は斜め読みで読み終えた。


街の巡回ルートを確認していると、遠くから子供が走ってきた。


「すみませーん!遅くなりましたー!」


肩まで伸びたクリーム色の髪の毛に、吸い込まれるような紅い眼。

そしてかなりの美男子、いや、この見た目なら美少女にも捉えられる。

本当に呪眼の一族なのかと疑う程の西洋風の見た目である。

よく見れば顔立ちは自分と同じ東洋だと大河は思った。


「すいません、はぁはぁ、道に迷っちゃいまして…」

「軍は広いからな、素人は迷いやすい。次からは気をつけろ」

「はい!」

「綾瀬川上等兵だな」

「はい!綾瀬川霧といいます!」

「今日からお前の世話役になった博多中尉だ」

「よろしくお願いします!」


霧は左手で敬礼をした。


「バカっ!敬礼は右手だ!」


大河は目をカッと見開きながら霧の敬礼を正した。


「あ、す、すいません」

「全く…。基本中の基本だぞ…」


大河はため息をつきながら敬礼について説明した。


「いいか?これは挙手注目礼と言って、必ず右手で行うんだ。相手に武器を持っていない、敵意が無いと証明すると同時に、相手に敬意を払う意思表示でもあるんだ」

「は、はい!次から気をつけます!」

「分かったならいい…。街の巡回に行くぞ」

「了解です、博多さん!」

「……中尉、」

「?」

「俺の階級は中尉だ。基本的にはお前は俺の事を「博多中尉」と呼べ」

「はい、博多s、中尉」

「うむ。それと、街の巡回をする時は武器を表に出すな。収納か透明化の術は習っているな?」


霧は頷きながら自分の武器である薙刀を小さな魔方陣の中にしまった。

大河と霧は一緒に門を出て街の巡回に向かった。



街は人々で賑わっていた。

大河は何度かこの地域の巡回を任されていたので、何となく覚えていた。

少しルートが変わっていて、CP(チェックポイント)に交差点が選ばれていた。

霧は興味津々でキョロキョロと周りを見渡していた。


CPに着いたらまず、CPの周りを見てどんな建物があるか、主にどんな職業柄の人が居るか、どのような小道があるかなど、よく観察していく事を教えながらCPを回っていく。


3つ目のCPの近くには、小さな花屋があり、大通りを挟んで左側の曲がり角に八百屋、その隣には大河お気に入りのクッキー屋さんがあった。

大河が買いたいのを我慢していると、小さな花屋で小さな事件が起きた。


「この花束を先に手に取ったのはアタシよ!」

「いいえ!私はあなたより先にこの花束を買いたいと店主に言ったわ!」


何とも平和的で下らない事件だが、困り果てた店主と二人の客を放っておく訳にもいかないので、大河が止めに入る。


「奥様方、落ち着いて下さい。どうされたんですか?」

「聞いてください軍人さん!アタシが先に花束を持ったのにそちらの青い人が「私が買おうとした」ってうるさいんですよ」

「青い人ですって?服が青なだけじゃない!そう言ったらそっちも黄色い服だから黄色い人よ!」

「はいはい、お互いの服装を言い合うのはそこまで!奥様方はこの花束を買いたいのですね?」

「ええ」

「そうよ」

「店主、この花束は1つしか無いのか?」

「はい、当店には1つしか残っておりません…」


二人の客が欲しがっているのは花びら1枚1枚が別の色でできている虹色の花だ。

着色料ではなく、沢山ある土や水、肥料の種類を組み合わせて育てられている。


上記の通り、この花を育てるのはかなり大変で、この時期にしか売り出しせない苦労の強者と言える、珍しい花なのだ。


「アタシはこの店の花じゃないと満足できないの!せっかくの友人の結婚式に知らない店の花束を買う事なんてできないわ!」

「私だって同じよ!妹のお見舞いには絶対この店じゃないと!今日は妹の手術が成功したからこの綺麗な花束でお祝いしてあげなきゃ!」


客の言い分は分かるが、5本の花束を二人に分ける事は出来ない。

別の花束を提案するも、跳ね返される。

すると霧が口を開いた。


「ねぇお姉さん達、確かにこの花束は綺麗だけど、見た目だけでしょ?」

「それがなによ。綺麗だから結婚式には最適じゃない!」

「そうよ!妹だってこの花気に入るわ」

「お姉さん達、この花の花言葉知ってる?花の色で見ると「ただ1つの真実を求める」だけど、花自身の花言葉は「叶わぬ願い」なんだよ」


二人の客は唖然として沈黙している。


「どんなに綺麗な花でも、花言葉の意味がお姉さん達が求めてるものと違うじゃない?これ以上首は突っ込まないけど、選ぶべきではないと思うな!」


霧はちょっとドヤ顔で話したあと、客は少し考え、虹色の花束を諦めた。

そのかわり、結婚式、手術の成功を祝うのに合っている花言葉を持つ花束を互いに見つけ、店を去っていった。

こればかりは悔しいが、霧のお手柄だ。


「この度はありがとうございました…。先程のお客様は二人ともうちの店の常連ですが、長い間言い争っていらっしゃったので、こちらも困っていたのです…」


花屋の店主が大河に深々と頭を下げた。


「いえいえ。礼を言うならこっち言った方が」

「えへへ、花言葉にはちょっと詳しいだけなんで対した事じゃないですよ!」


そうは言いながらも霧自身、誉められて嬉しそうだ。


「百合、お前も軍人さん達にお礼を言いなさい…」


店の中から慌てながら外に出て来た百合という女性を見た瞬間、大河の胸がギュッと締め付けられた。


ここらでは珍しいマリンブルーの髪、透き通るような水色の目、あまり日焼けしていない色白の肌、その頬は綺麗な紅色で染まっていて、きらりと光に反射した汗が滴っていた。


(…綺麗だ)


顔も自分好みでさらにナイスバd((殴


いつもなら脳味噌ビッシリ埋め尽くすぐらい文字が出てくる大河だか、今回は違っていた。

完全に思考回路が止まっている。

少しするともう何も考えられなくなり、百合をずっと見つめていた。

この間約3秒である。


「お礼が遅くなってしまい、すいません!ありがとうございました!」


百合がパァっと笑顔になった。


(!!!???)


あまりにもその笑顔が素晴らしく、眩しすぎて、大河の胸はさらに締め付けられ、苦しい程だった。

このままでは心停止しそうな大河が石化したように固まっていると、霧が大河の様子を横目に答えた。


「いえいえ!困っている人が居たら助けるのは当然ですよ!それより、花屋のお姉さんとーっても綺麗ですね!」

「あはは、綺麗だなんて…そんなことないよ////」

(うぉおおぉぉぉお!!!???照れ顔!?)

「うんうんそうだろう…」

「ほら!お姉さん凄く綺麗だから!僕の隣の軍人さんは~?一・目・惚・れ~?」

(なっ!!!)


大河は霧の首根っこを掴んで持ち上げた。

霧は少し驚きつつも悪い笑みを浮かべていた。


「何言ってるん!?そげん事あるわけ、あっ!」

(ああああ方言出てしもうた!!)


大河は自分の口を押させ、顔を真っ赤にしていた。

この場に居た3人は予想外の展開で驚いていた。


「し、失礼しますっ!!!」


大河は霧を持ち上げたまま花屋から去っていった。

耳まで真っ赤に染まっているせいか、後ろ姿からでも分かってしまっていた。


「あの背の高い軍人さん、凄い顔真っ赤だったな…」

「だってあんなタイミングで地元の方言出ちゃったら流石に恥ずかしいんじゃない?」

「そうじゃないよ…あの男の子(?)が言ってた通り、百合に一目惚れしたんじゃないか?」

「もう!お父さん!wそんなわけないでしょ?」

(カッコよかったけど、こんな身体じゃあきっと…)




「ちょっと博多さん!下ろしてください!!」

「下ろさん!!それと「中尉」だ!!」

「博多中尉、下ろしてください!道だって違うじゃないですかー!」


確かにルートとは違う。慌てすぎて道を間違えたが、大河が向かっている方向にはお気に入りのクッキー屋がある。口実は作れる。


「少し寄り道だ。黙ってぶら下がってろ」

「むーっ!!!!」


目的のクッキー屋さんに着いたので、霧を下ろしてお気に入りのクッキーを探し始めた。


「博多中尉~?仕事中ですよ~?」

「ふん、誰のせいで恥をかいたと思ってるんだ…。今日の問題解決もお前の手柄だ、好きなの選んでいい」

「え!いいんですか!!」

「あぁ、俺の奢りだ」

「わーっ!ありがとうございます博多さん!」

(中尉だと何度言えば…)


大河は叱るのを諦め、お気に入りのクッキー探しの続きをした…はずだが、なかなか見つけ出す事が出来ない。

それもそのはず、脳裏からあの笑顔が忘れられず、ずーっとモヤモヤしているのだ。


─ お礼が遅くなってしまい、すいません!ありがとうございました!


あああああ駄目だ!

思い出したら駄目だ!止まらなくなる!

はぁぁ…あの笑顔は駄目だ…良い意味で心臓に悪い…


そんな事を考えながら顔を覆っていると、クッキー屋の店主ルター(Luther)が話しかけてきた。


「よぉ!博多さんよ!いつものかい?」

「ああ…」

「どうした?今日は随分と顔が真っ赤だが。今日そんなに暑かったかなぁ~?」

「実はね博多さn「思いっきり走ったのでね。少し顔が赤くなっているだけだ」

「へぇ~そうかい。軍人も大変だねぇ~。ところで博多さんよ、仕事中にクッキーなんて買って大丈夫か?」

「いいんだよ。おい綾瀬川上等兵、さっさとクッキーを選べ」

「どれも美味しそうなんだもん!あと僕の話を遮らないでよ!」

「同じのもう1つ」

「あー待って!僕このセットが良い!!」

「えー、全部で500円でございます」

「へー!安いね!」


大河はお金を払い、クッキーを食べながらほかのCPを回った。

特に大きな問題なくCP全て回る事ができ、今日の巡回は終わった。


「綾瀬川上等兵、巡回は終わりだ。巡回が終わったらその区域を担当している佐官に報告する」

「はい!」

「担当佐官の名前は…ベルト(Belt)少佐だ」

「…私を呼んだか」

「ベルト少佐、巡回の報告です」

「…わかった」


大河と霧はベルト少佐に敬礼をして今日あった事やCPでの様子等を報告した。

勿論、クッキーを買った事は黙っている。


「…了解した。二人ともご苦労」

「はっ!」

「はい!」

「…綾瀬川上等兵、お前はもう帰って良い」

「は、はい!お疲れ様でした!」

「…博多中尉、少し残れ」

「はい」

(まさか…クッキーの事、バレたのか?)


霧は大河とベルト少佐に敬礼したあと、迎えの車で帰宅し、大河とベルト少佐はその場に残った。


「…博多中尉よ」

「はい」

「…動くな」


ベルト少佐はそういうと、大河の首筋を嗅ぎ始めた。

ベルト少佐は犬型ヒト科であり、鼻はよく効く。


(不味い…クッキーの匂いでも嗅がれたら…)


首筋から胸元へ…腰辺りまで来てまた首筋へ…

何の匂いを嗅いでいるのか分からないが、クッキーの事がバレたら何と言われるか大河は心配だった。

正直に言おうか迷っていると…


「ヨーデル・ベルト、此処に居たのねってあーっ!!またやってる!!」

「…名取少佐か。それとフルネームで呼ぶな」

「まーた人の匂い嗅いでる!」

「…うん、こいつの匂いは好きだ」

「うーわ…可哀想…。中尉、貴方の名前は?」

「第三部隊隊長、博多大河と申します」

「博多中尉ね、私は名取莓(なとりいちご)。見ての通り少佐よ!うちの馬鹿犬がすいませんね~。こいつ、人の匂い嗅ぐの好きでね~」

「…私の趣味を笑っているな」

「笑ってはないけど嗅がれてる方は可哀想よ!博多中尉、貴方気に入られちゃったみたいだから今後関わるときは気をつけてね」

「はい、ありがとうございます」

「ん、貴方巡回の人か!博多中尉!もう帰って良いわよ!」

「はっ!お疲れ様でした」


大河は名取少佐とベルト少佐に敬礼をして帰路についた。


帰っている途中、もう一度クッキーを買いに行った。

本当の目的はクッキーを買うのではなく、もう一度あの女性、百合をみたいからだ。


会計途中に花屋の方を見てみると、表に出していた花を片付けている百合が居た。

クッキーそっちのけでただただ百合を見ていた。


少し癖のあるマリンブルーの髪を1つに束ね、髪を揺らしながら花を持って片づける。

花と並んだ百合はより一層綺麗に見えた。

細すぎず、太りすぎていない丁度良い体型で、頬はとても柔らかそうだ。一瞬食べたいとも思った。


「泉さんちの嬢ちゃん、別嬪さんだよなぁ~」

「ああ」

「美人なところはお母さんにそっくり似たんだな~。この街一番の美女だと言っても過言じゃないくらいだったよ!いや~博多さんにも見せてやりたいよ」

「どういう意味だ?」

「数ヶ月前に病気で亡くなったんだよ」

「そうか…」

「身体が弱くてしょっちゅう病気になってたんだ。残念だったよ」


数ヶ月前母親が亡くなったのにも関わらず、百合の目は一切曇りが無かった。

ユーロベル湖よりも透き通っていて本当に綺麗な水色だ…。

はぁ…

ずーっと見ていられる…

※ユーロベル湖 この世界で世界一綺麗と言われている湖


「俺もあんな別嬪さんな可愛い嫁さんが欲しいぜぇ~」

「ん"?」

「な、なんだ?」

「何でもない、300円だろ?ほれ」

「おう、まいどあり~」


ちょっとだけ、一瞬だけ、ルターを敵視してしまったが別にどうでもいい。

花に囲まれて、花を優しく愛でている百合が見れただけで満足だった。


明日も巡回で会えるのだろう。

この感覚は久しぶりだった。小学生の時以来か?

もう大人だ。あの時のように残念な結果で終わりたくない。

いつかは想いを伝えよう…

たとえ嫌われたとしても、この気持ちは伝えなければならない…


大河はそう決心すると、花屋に背を向け、家に帰った。




大河と百合① END

いかがだったでしょうか?

楽しめましたか?


もし、続きを待ってくれるのであれば嬉しいです。

続きを更新するのが遅くなるかもしれませんが、気長にお待ち下さいm(__)m

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