テンプレ⑩むしろテンプレじゃない展開の方が少なくない?
翌日、ディアとノアと3人でシルバーラビットで朝食を食べている。昨日は3人一緒の部屋で寝たよ。ベットは3つあったんだけど、俺が起きた時は、俺のベットの上でノアが丸まって寝てたけど、まぁ、見た目猫耳少女だけど、元が猫さんだったこと知ってるからね。その辺のラノベ主人公の様にむやみに欲情したりしないよね。うん、これが正常だと俺は思ってますけど・・・
それで、もはや定番になってる黒パンをかじりながらディアと会話をしています。
「テンプレってどういうものかいい加減、おしえて~。タカシのPTメンバーとして~、知っておかないと行動に支障が出ます!」いつにもまして、鋭い目つきでディアが聞いてくるので説明することにした。後で後悔しても知らない。聞いてきたのはディアなのだ。
「ん~、一言でいえば、先の展開が読める事だね。知れ渡ってる物語のありきたりなストーリーをなぞる展開の事だよ。俺の世界では異世界転移の物語が沢山あったんだけど、その沢山の物語の型通りに進む事がテンプレだと俺は思ってるよ」
「ふむ~、お約束でつまらない展開って事~?」と、軽く説明しただけで理解したような事を言う。この駄女神、意外と頭が回るのか?だが言いたい事がある!ククク、後悔するがよい。俺にテンプレを語らせたことを・・・
「俺はつまらないとは思わない!国民に絶大な人気アニメの、北★の拳ってアニメもノストラダムスの大予言テンプレだし、Jの奇妙な大冒険も吸血鬼ドラキュラテンプレだけど超面白い!2000年に核戦争、その後の荒れた世界、血を吸う化け物のホラーと言うテンプレ内容に、経絡秘孔や、波紋やスタンド等のオリジナルな技・・・は、まぁ、置いておいて、お約束展開でも楽しい物はある。お約束だからこそ楽しいって言うのもあると俺は思ってる」
「む~、せっかく解ってきたのに、また解らないのが出て来たよ~。北★の拳?ノストラ何?タカシさんの話、やっぱりチンプンカンプンだよ~。ノアは解る?」そう言ってディアはノアの方を向く。
「・・・ニャ?」黒パンをかじるのをやめてディアの方を向いて首をかしげるノア。どうやら聞いてなかったっぽい。そして俺の話は続く・・・テンプレの話で俺が止まる訳が無いのだ!
「まだまだあるぞ、例えば、アクション映画で捜査員と犯人が顔を入れ替えるって話があったんだけど、それよりも前の恋愛映画で凄く悪人の夫が戦争から帰ってきたら別人に成り代わってて凄く善人になってたやつとかあるんだけど、これも俺は2つも知ってるんだから俺の中では入れ替わりテンプレと言える。
パクリとか言う人も居るけど、今後も物語なんていくらでも増えていくんだから、面白い話にする為にはどこかの話と似てくるのは当たり前だから、ありきたりになるテンプレって言うのは、むしろ面白いからこそ色々な物語に登場する。つまりテンプレになるほど面白い展開とも言えるのだ!そもそもが・・・」
俺が止まらずに延々と語り続けて、語り終わった後、周りを見ると、ノアは眠っていて、ディアもテーブルに突っ伏していたのだった。うん、後悔はしていない。俺にテンプレを語らせるのが悪いのだ。