1話 錬金術師の女の子
初投稿です
細かいところの手直しとかそういう部分は後々行いますがとりあえず投稿することが大事かなと思ったので投稿しました
練習的な側面もありますが末永くお付き合いいただければと思います
冒険者達で賑わう都市ハイアールの一角、錬金術ギルド
冒険者、商人相手に錬金術を利用した物品をやり取りするうえで必要とされる等級票の発行を行うこの場所に青い髪をサイドポニーでまとめた少女が目をキラキラさせてやってきていた
「やってきたのですハイアール!見ててね村のみんな!!」
ぐっとこぶしを握って少女は駆け足に受付へ向かうと事前に必要事項を記入した紙を受付の老人に渡した
渡された紙と少女をほおっと眺めると横の扉を指差しながら札を渡す。
「等級票の判定は向こうで行っておるよ、また若いのに遠くの村から来たもんじゃ」
「はい!錬金術師になりたくて一人立ちが許された日に飛び出してきたのです!!」
「ほうほう、自信があるようじゃの。誰かに師事しておったか?」
ごく稀にだがそういうパターンもある
稼ぎ手の少ない村などで錬金術師の才能があるものは早い段階から一般の錬金術師に教育してもらい一人立ちをするのだ
錬金術師は今でこそそれなりの数がいるもののまだまだ需要が高い、実力のある若者は収入を早期に得るためにこうした都市で等級票を発行し活躍する事が殆どだ
そういった者は才能と教育の賜物で多くは鉄級、まれに銀級になることが多く受付の老人も若くして才能溢れる少女に期待の眼差しを向ける
職業柄若い世代の台頭はそれだけで嬉しいものだった、今では成り手も多くなっているが自分が若いころは怪しげな術などと言われ冒険者や貴族に……いやよそう、老人は未来ある少女の返事を待つ
「いえ!才能があるよって村を通った錬金術師の方に言われただけで特に師匠はいないのです」
「となると我流かの?我流で錬金術を覚えるには相応の環境が必要じゃが…まあテストをしてみれば分かるか、札を扉の中にいる試験官に渡してくるんじゃ」
「行ってきますのです!」
鼻息荒く少女は札を握りしめて扉へ向かっていった
老人は入口の方を見て続く受付者がくる気配がないのを確認すると少女が向かっていった扉へ入っていく、一度扉を潜った先は通路になっており個室の扉がいくつかに分かれている。
暇なのでついでに見てみようとした老人は内開きの扉を開こうとしたがその扉が動かなかった
「おかしいの、鍵はかからない扉のはずなんじゃが。おーい、中にいるんじゃろ?」
「い、います!!ちょっと君、作業空間を閉じてくれ!!」
「はいなのです」
すぐに試験官が扉を開ける、彼の顔には大きな興奮の色が浮かび上がっている
「どうかしたかの?」
「いや、今分解技能を始めたところですが、この少女凄いですよ!」
「ほほう、凄いとな?」
錬金術師が持つ技能の中には、分解、変化、合成がある
それらは錬金術師の生成する作業空間内でのみ行われ、作業空間以上の物体に対して作業空間を利用することはできない、作業空間内に生物を入れることが出来ないなどの制限がある
分解は文字通り物体をそれぞれの別々の素材へ分けることができる
術者の精度によるのでその分解能力には差があるが、一般的には魔物や動物などを皮や肉、血など、素材毎に分離することが可能で、錬金術師の基本となる技能である
変化は熱を加えたり圧力を掛けるなどを行える
大きな変化には力を使い、一定の状態を保つのにもかなりの技量を必要としこの段階で失敗した物体を戻すことは並みの錬金術師には出来ない為技量の低い錬金術師は設備を使って行う場合が多い
合成は2つ以上の材料を変化を用いながら一つの素材へ纏めあげる技能だ
不純物を混ぜることなく素材を混ぜ合わせることが可能で衝撃で反応を起こすような薬剤でも安定して作成することが可能になっている
薬草からポーションを作ろうと思った場合薬草そのものを技能が高ければ成分毎に、一般的なら有効部分へ分解、それらを擂り潰すよう変化させ水やその他薬効成分を含む薬剤と合成というような段階を踏むこととなる
錬金術ギルドではそれら3つの技量と作業領域が一定以上の者をそれぞれの等級に振り分けるのだ
「10年に一人の逸材かもしれませんよ!!君、もう一度分解の作業空間を展開してくれ」
「いきます、少し離れますね」
少女が老人と試験官から2M程離れる
2M……老人が怪訝そうな顔をした。この町に数人程いる銀級錬金術師の分解作業空間の大きさはせいぜい50cmほどだ
少女がむむむ…と力を籠めるような仕草をすると老人の目の前に薄い青色の作業空間が現れる
「こ、これは!?」
「2Mクラスですよ!金級に届くかもしれない!!」
なるほど、先ほど扉が開かなかったのは作業空間が邪魔していたのか
老人は王都で一度だけ見かけた金級の錬金術師の作業空間が大体2Mぐらいであったのを見たことがある、しかしそれは長年経験を積んできた錬金術師の結果であってこんな田舎の村を出てきたばかりの少女がこのような結果を出すなど聞いたこともなかった。
記録に残る天才、史上最年少の金級、老人の脳裏にそんな言葉がよぎる
若き試験官だけに任せることなど出来るものか、老人は瞳に灯った情熱を少女に向けた
「ではテストを始めるかの」
未来の英雄の第一歩に立ち会えたことに感謝しながら試験官と老人はテストを始めた
こうして私は錬金術師になれたのです!!石級だそうです!!1番下の位ですね……
試験官さんも様子を見に来たおじいさんも当たった宝くじの期限が切れてしまっていたみたいな顔をしています
「よもやこんなことになろうとは…」
等級票を発行する魔道具に情報を打ち込みながらおじいさんが頭を抱えています
さっきまで光輝いていた目はどんよりとしています、数年くらい歳を取ったようにも見えます
こんなこととはどういうことですか
「我流だったのは分かるが何で変化と合成が全く出来ないんじゃ…」
「私が出会った錬金術師さんは分解こそが錬金術であると言っていたのです、それ以外の二つは不要だと」
何年か前にフラッと私の村にやってきた燃えるような赤い髪の女の人でした、旅の途中でお金がないって言っていたので私のお家に泊めてあげたら子供だった私に錬金術について教えてくれました、次の日には家主のトップおばさんに色々渡してどこかに旅立ってしまいましたが
いわば師匠のような人なのですがたった一晩見てくれただけなのです、迷惑でしょうし師匠とは呼びません
「どこの馬鹿じゃそいつは!!……いや、お主の能力からして慰めにそう言ったのかもしれぬな」
「ひえぇ……酷い言われようです…」
おじいさんは深ーく溜息を吐きます
「作業空間は2Mと規格外のなか変化と合成は指先程の大きさしか技量がない、ここまで欠陥を抱えた子は初めて見るわ」
「分解だけじゃダメなんですか」
「ダメじゃ、一般的に錬金術師同士での連携はギルドでも推奨しておらんし今の世代では特に嫌われておる。三つの作業のうちどれかに不備があれば全てがダメになってしまうからの、商いをする錬金術師は一人のうちで完結させることになっておる」
例外としては王立の研究所などで銀級上位〜金級の各分野のスペシャリストが作業するというものがあるそうです
スペシャリスト……いい響きですね。私も分解のスペシャリストになればいいのでは?
分解のスペシャリスト……カッコイイ……
「その上じゃ」
おじいさんは溜息を吐いて項垂れていた状態からさらにカクンと一つ頭を傾けて
「お主、分解もろくに出来ないじゃろ……」
そんな致命的なことをおっしゃられました
できますできます!泥水を水と泥に分けたりお洋服についた匂いを落としたり
「薬草から成分を抜き出す、原石から鉱物や宝石を取り出す、死骸から血を抜く、どれも出来なかったじゃろ!!もうビックリしたわ」
寿命が縮んでしまったわいと等級票を作成し終えたおじいさんはどんよりと曇った目を向けながら私に等級票を渡します
石級とはいれこれで正式な錬金術師です、これから小さくお仕事をしながら学んでいけば……
「石級の錬金術師はろくに仕事などないぞ?若く経験も少ないともなれば尚更じゃ」
「うぐっ……」
そっそんな辛い現実が待ってるなんて考えても居ませんでした…
「次の更新には1年、それまでにもう一度錬金術について学び直す必要があるかの。我流ということはお主の村には錬金術師は居ないし資料も無いのであろう。幸いこの街には弟子を取る錬金術師が数人はおる、この街で学びながら期間を越せる宛てはあるか?」
「そ、それはー……」
村から町へはせいぜい4日分くらいのお金しか持ってきていないのです、というか全財産です…
村に帰る?2日分のお金を使えば村には帰れます……帰れますけど期待して私を見送ってくれたトップおばさんを悲しませちゃいます
「女の子でも安心して止まれる安宿なら案内してやるが、一度冷静になるべきじゃ。まだ若い内から借金を抱えて路上で転がったりするんじゃないぞ」
「ひえぇ……」
怖い未来図を提示されてしまい私の心は暖かいお布団と美味しいシチューの出るトップおばさんの家に傾いてしまいます……トップおばさんも辛かったら帰っておいでって言ってましたし………いやいやいや、ここ数年頑張って来たんです、これくらいで挫けるわけにはいきません
おじいさんに案内された宿へ向かう前に街を見て回ることにします
まずは職を探してみます、運が良ければ食堂とかで住み込みで働かせて貰えるかもしれませんし、今後の目標である錬金術師の先生がいる養成所はいくらほどあれば通えるのでしょうか
「た……高い」
14歳の我が身では到底届きそうにありません、数ヵ月は働かないと駄目そうです
錬金術師はまだまだ人気の職業とは言えず技術も流派があるみたいなことをおじいさんは言っていました
需要が多いけど供給が少ないので錬金術師は儲かるんだそうです、赤い毛の人も言ってました
でも増えすぎちゃうと困るので教える代わりにお金を多めに貰うんだそうです
気を取り直して職業探しです、ハイアールはいっぱいお店があるので私でも働けるはず
求人というものを集めている職業案内所があるそうで、希望の条件にあった働けるお店を案内してくれる場所で、無事採用されれば次回のお給金から払うだけでいいそうです、凄いですね
「住み込みで働ける職場だとこちらの一覧になりますね」
メガネのクールなお姉さんが紙を紐で止めた束を渡してくれます、文字の読み書きや計算はまだ怪しいところもありますがトップおばさんが教えてくれていたので困ることはありません
トップおばさんは昔は王都で暮らしていたそうで、私みたいな小さな子供に教育していました
一緒に暮らしているときは将来役に立つと毎日勉強を教えてもらっていました
「住み込みっていっぱいあるんですね」
「ああ、それは若い娘向けの求人だからです。気を付けてくださいね、その手の類いには嫁探しの為の求人もあります。例えばこれとかですね」
レストラン経営サポート
無経験でも大丈夫、将来お店を持ちたい方募集
14~18の若い女性のみ、事前面談必要
住み込みで働ける方限定
30万AG~応相談
「な……なるほど」
「こちらとしても依頼のある掲載は余程問題がなければ取り下げさることも出来ないため、知らない女の子が引っ掛かる場合があるのであからさまなものは事前に通達しています、当然口コミが広まってお店の印象が落ちますが自業自得ですね」
職業と能力に見合わずお給金が高いところはこんな求人が多いそうです、街は怖いことが隠れています
「私としてはこの辺りの求人があなたには向いているかと、主に接客と計算ですが不自由はなさそうですので」
シャープ商会
品出しや検品、カウンター業務をお願いします
最低限計算が出来る方が条件です
店主(女性)と同じ家で良ければ住み込み可、その場合は女性のみ募集します。
家事は交代制を取りますが、私は少々得意ではありません
15万AG~能力に応じて
お給金は普通……よりはちょっと高いです
計算と読み書きは学校に通わないといけないので農民や低級の冒険者の方は出来ません、そういった方は10万AG位で毎月をやりくりしますが飢えちゃうような事はありません
私が数年村でお手伝いをして貯めたお金は5万AG位です
「そこは若い女性が最近立ち上げた商会ですね、ここに求人を出す際に色々見させていただきましたが見る目は確かなので近い内に大きくなるかと、紹介状を出しますか?手数料は2ヶ月目のお給金の2割ほどを職場から事前にいただく形ですが」
「2割で良いんですか?こんなに親切に色々教えてくれるのに。」
情報だけ聞かれてさようならされちゃったら損しちゃいます
2ヶ月目というのも外から来た人は大抵手持ちが少ないので最初のお給料から引いてしまうと準備に色々かかったり突然仕事をクビになった際に困らないようにとのこと
私みたいな村娘でも安心できます
「この案内所は領主様が公共事業で行っていることですので、なるべく多くの民がお金を持つことで広い事業に需要が生まれる、そういう主義なんだそうです」
「ほえー、立派な方ですね」
「そういう街なので管理がかなりしっかりとされています。紹介状無しに人を雇う店は殆どありません。そういった店は何かしら脛に傷を持っているものが多いのです、覚えておいて下さいね。」
私の基本情報を書いた紹介状に蝋印を押してもらい
お姉さんの言うことを肝に命じてシャープ商会へ向かいます
大通りを外れた民家が多い場所にお店を構えているそうですぐに見つけることができました
できましたが……何か様子がおかしいのです
「お酒臭い……」
酒場というものは村にはありませんでしたがジョイおじさんはお酒が好きで良く酔っ払いながら私に抱きついてきました、そんな匂いがします
でもここはシャープ商会って大きく書かれたお店ですし中から酔っ払ったおじさんの声なんて聞こえてきません
「すみませーん、案内所から来たアクアといいますー!」
中に入ると更にお酒の匂いに混じって酸っぱい匂いがします、多分嘔吐物があるはずです
窓も開けず薄暗い店内にはお酒の空き瓶が転がっていますが埃が積もってるとか年季がはいってる訳ではないので数日間こんな状態だったわけではないようです
一晩で大荒れしたみたいな状態です
「誰かいますかー」
「いっませーーん!!アハハハハ!!もう誰もいませーーん!!」
「わわっ!?」
突然床から大声を上げて転がっていた女の人が私の足を叩きます、びっくりして一瞬蹴っ飛ばしそうになってしまいましたが踏みとどまれました
ええと……もしかしてシャープさんでしょうか
「シャープさんなのです?」
「シャープ商会のシャープといえばアタシですよー!まあもうちょっとしたらただのシャープさんですけどね!!あーちくしょうっ!!」
かなり酔っているようで所々聞こえる呪詛みたいな呟きは殆ど聞こえませんが殺すとか失敗したとかそんな言葉がちらほら聞こえます
しかしただのシャープさんというのはどういう……とりあえず一回落ち着いてもらわないと
「お水飲みます?」
「のみゅのみゅ」
机の上に置いてあった瓶からコップに注いだ水をシャープさんは引ったくるように私から受けとると床に寝転がりながらそれを仰ぎます
おかわりも要求されたので3杯ほど水をあげるとちょっとだけ目に知性の光が宿ってきたように思えます
「あー……案内所から来たってことは求人を見て来た感じか」
「そうです!私どうしてもこの街で勉強したいことが」
「無理だね」
シャープさんは私の言うことを遮って
「商売でデカイ失敗しちゃってね、損失分の補填をして商会としてはやって行けなくなっちゃったんだよ」
「そんな……」
「残ってるのはこの無駄に広い商店ぐらいでね、人を雇うどころか明日からアタシがどうしたもんかと……見たところ外から来た子でしょ、無駄足踏ませちゃったお詫びに今日はウチに泊まっていきなよ」
そしたらまた明日案内所に行って現状を伝えてさ、とシャープさんはすごく悲しそうにそういいました
一息ついて落ち着いてきたシャープさんと私は商会の2階部分の居住スペースにいます
今日はシャープさんの商会兼自宅に泊めて貰えることになりました
宿代が1日分浮くので私としては願ってもありません、家に保管されている食材を借りて料理を私がしました、トップおばさん直伝のシチューです
まあ簡単に言えば騙されちゃったんだよね、とシャープさんは疲れた笑みを浮かべました
「美味しい……はあ~、騙されなきゃこんな料理を作ってくれる子が住んでくれるとか最高だったのに」
「騙されてしまったっていうのは?」
「モリスっていう男と商売をしててね、デカイ案件の契約が来て喜んで……金庫のお金を全て使う位には高いやつでね、まあそれに見合った報酬で何倍もの値段で買い取って貰うはずだったんだけど品物を持ったままドロンされちまったよ、今頃は他の街にでもいるんじゃないかね」
商売を始めた頃からの相棒だったそうで、品物を失って商売が出来なくなった事よりもそちらの方がショックなのでしょうか、モリスさんの話し以外は思ったより気にしてないようです
「まあここは売り払って小さい家でも借りながら働いて旦那でも見つけて結婚生活……ってなるんだろうね、このまま行くと」
それも幸せの形ではありそうですけど……
「アタシの実家はまあそこそこ大きい商家でね、兄が継いでアタシは裏方か他の商人とのパイプ役にどっかの息子と結婚……っていうのが嫌で飛び出してこの街で上手く立ち回って良いところまで来たんだけどね」
商売が好きなシャープさんとしては商売そのものを諦めたく無いようです
一段と大きなため息をつくとこちらに向きなおします
「アクアちゃんだっけ、アンタはどうなの?」
「私は錬金術を学びに……今日等級の判定したら石等級でして……我流をまず直した方が良いと言われまして」
「石か~前途多難だね」
「お互いさまなのです」
錬金術といえば私には得意な事がありました!……いや今日おじいさんにダメ出しされたばかりですけどギルドでは見てもらうことも出来なかったので
「シャープさん、お洗濯ものとかありますか?私得意なのです」
「……錬金術師を止めてお嫁さんになったら良いんじゃない?料理にお洗濯、鉄板のお嫁さんだ」
「いやいや、一応これも立派な錬金術なのです。お酒が染み込んじゃった服とか出してください」
そういうとシャープさんは溜まった洗濯物を……溜まった洗濯物を山のように持ってきました
……もしかしてお洗濯出来ないのでしょうか?
「酷い汚れじゃないのはこんなもんかな?」
「まだあるのですか!?」
「いや~、一人暮らしだと中々面倒でね、古着屋にでも売っちまおうかと思ってた所だよ」
「は~、やっぱり良いところの方なのですね」
普通服は3~4着あれば良い方です、私なんか今は3着しかありません
気を取り直して作業空間を展開します
広い商会なので机をどかしてしまえば2Mくらいは問題ありません
ささっと作業空間を展開します
「とはいっても錬金術で洗濯なんて聞いたことが……は?」
「ここに洗濯物を入れてっと、よいしょっと」
「ええ……」
作業空間を持ち上げて洗濯物の山の上に被せるとそれらはスポッと収まります
そしたら分解開始です、難しい成分なんて分からないので服と汚れと大まかにしていして分解してしまいます
そしたら作業空間を中で2つに区切って服と汚れで分けてお洗濯完了です
汚れ部分は水分が殆ど無いのでゴミ箱に作業空間を持っていって一部解除して捨ててしまいます
「こんな感じでお洗濯が出来ます!」
「……石等級っていうのはアタシを励ます為の嘘かい?そんな作業空間の大きさと使い方見たこともないよ、商売で関わったことのある銀級だって数十センチが関の山さね」
「いえ、ロクに変化も合成も出来ず分解も全然だって今日ギルドのおじいさんに指摘されたばっかりで、紹介状にも書いてありますし、ほら等級プレートです」
「作業空間を動かしたこととか部分的に解除したこととかは?そんなの聞いたことも……」
赤毛の方は普通にやっていたことなのです
そういうもんだって私は聞いたのでそうやって出来るのかとずっと思っていますが
シャープさんは額に手を当ててなにやら考え込んでいます
「前例に無いことだからテストされなかった?いや赤毛の錬金術っていうのは…」
「シャープさん?」
「今考え込んでも仕方がないか……アクアちゃんさ、今アタシは新しい商売を考えたんだけど一枚噛まない?というよりはアクアちゃんの能力頼りなんだけど、上手くいけば次の更新日までにお金も稼げるし錬金術を学べるかもしれないよ」
「ゴクリ……そんな商売が?」
シャープさんの瞳に小さく灯が灯りました
ガシッとシャープさんが私の肩を掴みます
「洗濯屋さん、やらない?」
ブラウザバックせずに最後まで読んでくれてありがとうございました
設定はある程度固まってますけど今後のお話とかについては悩み中、お話がある程度動くようになるまでは書きにくい場面が続くかも…
意図的に抜いてますけど場面の表現が少なすぎる気がするので次からは少し多めに書くかもしれません