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パーティー当日


朝起きて、軽い朝食を取るために

一番小さな食堂へ足を進める

用事がなく時間があれば、父・兄・ダイアナの3人で丸い小さなテーブルを囲む

あまり褒められたマナーではないが、色々と話しながら楽しく食事をとるのが日課だ


「今日は卒業パーティーだな、楽しんでおいで」


「はい、お兄様も商談が順調に進むと良いですわね

先日、領地から送られてきた魔石の取引でしたわよね」


「そう、なかなか良質なのが多く運ばれてきてね

噂を聞いた商人が、直接取引をしたい。と言い出してきたからなぁ……」


トルスタインとの会話に、父が割り込んでくる


「そんな商売の話より、準備は大丈夫かい?ドレスは、王宮から届いたブルーのドレスにするんだろう?」


そう、王宮から届いたドレス………王子からではないが

王子の瞳の色のブルーのドレスが王子の母から送られてきた


「えぇ、アクセサリーはお母様の真珠を使わせていただく事になってますわ。

お父様、ありがとうございます」


(まったく、王子は何をしているのか……)


父の独り言が耳につくが

聞こえなかったふりをして

食後の紅茶を飲み干して、先に席を立つことにする


「では、お父様、お兄様、準備がありますので、お先に失礼いたします」


軽く挨拶をして、席を立つ

迎えがこないことは、いまのところディーにしか話していない

二人が仕事に出かけたら

馬車の準備を執事にお願いしないといけないし

一緒に口止めもしておかなければ………


出かける時間も変わってくる


さて、これから私も忙しいわ





準備は、どんどん進んでいく

湯あみをし、体をマッサージしてもらいながら香油を塗り込んもらっていく

それが終わると、侍女たちがドレスを着せるために待ち構えており

コルセットは、比較的緩めに絞めてもらう

ドレスはブルーのオフショルダーで、上半身は身体のラインに沿っているが

スカート部分はウエストから捻じれたデザインで、歩くたびに複雑な動きをしている

王宮からのプレゼントであるが、デザインなどはダイアナの希望にそって作られている

ダンスがしやすく、今までにはないシルエットだ

それにロングの白い手袋

真珠はロングのものから短いものまで4連、大きな真珠のイヤリングに

アップした髪の毛にも真珠の髪飾りをつけて完成


「はぁ~」


侍女たちのため息が聞こえてくる

鏡に映し出される自分の姿は、どこから見ても貴族の令嬢そのもの


侍女たちの腕前に、自分でも見惚れてしまう


「う~ん、化けたわね

学院に入る前まで魔獣を狩っていたとは思えないでしょ」


お道化て、侍女たちに話しかけると


「お嬢様、ダメですヨ!!

ドレスのまま木登りや、窓から出入りしたら……」

と、笑いながらディーが返してくれる


みんな知っているのだ

今日は迎えがこず、一人でパーティー会場に向かうことを

そんな事を匂わせずに、完璧な準備をしてくれる彼女たち

本当に大好きだ


「みんな、ありがとう

では、行ってまいります」


玄関まで送りに来てくれた、侍女や執事、フットマンたちに向け完璧な礼をして

用意してくれた馬車に乗り込んだ


はてさて、どんな芝居が始まるのやら


少し楽しみにしながら、馬車に揺られ

通いなれた学院を目指すのであった


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