本人談
今日は王太子殿下との謁見がある。
「私は、王妃様のお茶に誘われているので、そちらに行くわ。
帰りは、この馬車は貴方がお使いなさい。
私は適当に帰るから大丈夫よ」
一緒に馬車に乗って王城に向かう途中、母に言われた
侯爵令嬢だった時は高嶺の花だったらしい(本人談)
ダイアナと違って婚約者のいなかった母には求婚者がたくさんいたらしい(本人談)
今は人妻なうえ、平民でも言い寄ってくる男たちは沢山いるらしい(本人談)
‥‥‥らしい
その中の誰かに送らせるから、大丈夫なのだと
「数日前までのあなただったら、
王太子殿下との謁見に同席しようかと思っていたけど
もう、大丈夫そうだからね。
私は、私の女の戦いに行ってくるわ」
と、悪い笑顔を扇子の中に隠しながら言った。
馬車を先に降りて、母をエスコートしようと手を向けると
反対側からサッと手が出てきた。
手が出てきた方を見ると
騎士のお偉いさんだろう人がエスコートの為に手を出していた。
「アルフレッド殿。ローズベル様は、私がお連れしますので、ご安心ください」
母は、その騎士様の手を取り
「久しぶりですね。将軍」
と、笑いかけた
‥‥‥将軍様でしたか
「は!!お久しぶりです。覚えていていただき恐縮です。
王妃様がお待ちですので、私がご案内させていただきます。」
なんだろう‥‥見ている方が恥ずかしい
「アルフレッド殿は、私がご案内させていただきます」
控えていた部下であろう騎士が先導してくれるらしいので、ついていくことにする。
「よろしくお願いします」
声をかけ、母と将軍を置いて先に歩き出した。




